学校法人奈良学園

ニュース & トピックス
ニュース & トピックスニュース & トピックス

ニュース & トピックスニュース & トピックス

◇2015-07-14 (火)

古典文学講座《西行》前期第3回を開催

  • 古典文学講座《西行》前期第3回を開催
  • 古典文学講座《西行》前期第3回を開催
  • 古典文学講座《西行》前期第3回を開催
  • 古典文学講座《西行》前期第3回を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で、古典講座《西行》の3回目がありました。講師は吉村治彦先生です。

毎回恒例の言葉の正誤クイズを楽しんだ後、今回は「西行と平家物語」をテーマに講義が行われました。

『平家物語』に入る前に、西行の天皇との関係について先生は紐解かれました。院政という政治手法を確立したことで知られる白河院。その孫にあたる鳥羽天皇との親戚関係にあった藤原実能(さねよし)の家人であった西行は、歴代の天皇とも関わりがあり、また天皇に関係する歌も残しています。

講義では、西行が尊敬の念を抱いていたのではないかと感じさせる白河院のことを詠んだ歌が、まず紹介されました。漢語など通常は和歌に使わない言葉を用いながらも、美しい響きの歌に仕上げています。

また、鳥羽院への思いを詠んだ歌も取り上げられました。北面の武士と院の関係など周辺のエピソードも加えながらの解説に、受講生の皆さんも、ときには声を出して笑うなど、興味深く話を聞いていました。

白河上皇の院政時代から源平合戦までの間にはさまざまな事件が起こり、また人物の相関関係も複雑に入り組んでいます。勅撰和歌集のひとつ『詞花集』を編んだ崇徳上皇は、その中でも特に波乱に満ちた生涯を送った人物。それほど深い関わりはなかったにもかかわらず、西行はこの崇徳上皇へのメッセージのような歌も残しています。和歌を愛する西行だからこそ、同じく和歌に親しんだ上皇へ思いを伝えたかったのでしょうか。

最後に紹介されたのは、木曽義仲を歌ったもの。西行の歌で唯一、戦場の死について詠んだものです。ここでは元・武士としてショックを受けるとともに、平和を望んだ西行の心のうちが解説されました。

旧居はすっかり夏のようです。天窓からは燦々と光が注ぎ、時折、蝉の声も聞かれました。庭ではギボウシの花がたくさん見られます。

▲ページトップ

Copyright (C) Naragakuen. All right reserved.