学校法人奈良学園

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◇2014-10-20 (月)

秋期特別講座「白樺サロンの会」(全8回)の第8回を開催

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本学園のセミナーハウスである志賀直哉旧居で秋期特別講座「白樺サロンの会~高畑サロン、ふたたび~」第8回を開催しました。この講座は、この地の芸術や文学に残る貴重な遺産を継承するために発会した"白樺サロンの会"の会員を講師に迎え開かれるものです。本日は、相愛大学の橋元淳一郎教授に「相対論から解き明かす宇宙と生命」と題し講義を行っていただきました。

橋元教授は、物理学がご専門で、山口大学客員教授でもあり、同学にある日本唯一の「時間学研究所」に所属されています。本日は、時間を絡めた生命の発生についての講義でした。最初に<目に見えない時間>ということで、虹や温度などを例に、時間は内観(腹時計のようなもの)をもってのみ知ることができるものだということについて紹介されました。

個の原子(分子)に温度は実在せず、マクロ的な数の原子や分子の運動の激しさによって「熱さ」を感じる。そして、世界にはミクロ→マクロ→生命→星→宇宙といった階層構造があり、その階層によって、例えば温度はマクロの世界に存在し、虹は生命の世界に存在するという説を披露されました。

<相対論が明らかにした不思議な時間>として、「時間と空間は分かちがたく結びつき、我々は時間と空間の四次元軸にいるのです」と、物の動きを「世界線」で示した図で相対論的に時間を考えることへの話がありました。「光の速さで経過すると時間は流れない」「今見るアンドロメダ銀河は230万年前のもの」「同じく太陽は8分前のもの」「鏡の中の自分も過去の自分」など興味深い例を次々と挙げられました。

次に、時間の対称性を破るものは<エントロピー(不可逆過程)増大の法則>だけだが、生命の存在と深く関わっている、<時間の流れと生命>について展開されます。<生命の要件>5点を挙げ、「生命には主体的意思(主観)の存在があり、それはエントロピー増大の嵐との闘いから生まれてきた」と仮説を立てられます。

そして、<相対論の時空と主体的意思>について、「時間ベクトルは、物理法則を超えて秩序を保つために関係性を持ち、生きる意志こそが時間の流れそのもの、即ち、生きていることが時間の流れを生み出している」とまとめられました。「ただ、宇宙がなぜエントロピーに対して非対称な絨毯模様を持つのか、謎は遺されています」と話されて講義を終えられました。

講義後、受講生から「時間と空間の単位は?」とか「色の存在」について確かめる質問があり、先生はそれにも丁寧に答えられました。また、「本来なら難しい内容の講義ですが、身近な例を挙げ、順序立てての展開で、とても面白かったです」と話す受講生もありました。

なお、次週には、台風18号で延期となった第6回講座・相愛大学教授の石川玲子先生による「英国モダニズム作家ヴァージニア・ウルフとキャサリン・マンスフィールドの描くパーティ」です。
旧居の庭ではたわわに実った柿が日に日に色づいてきています。

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