学校法人奈良学園

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◇2014-08-04 (月)

古典講読講座《芭蕉と大和》第5回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で古典講読講座《芭蕉と大和》第5回を開催しました。講師に、元奈良学園高等学校教員の吉村治彦先生をお招きし、月1回のペースで『野ざらし紀行』(芭蕉文集)を読んできました。本日はその最終回です。

本日は、郷里・伊賀で年を越した芭蕉が、年明けて奈良(東大寺・二月堂)入りしたところからです。二月堂は折りしも修二会の最中、参詣した芭蕉はあの「水取りや氷の僧の沓(くつ)の音」の句を詠みます。が、すぐに京都・伏見へ向かい、朋友・三井秋風(三井財閥)を訪ねます。ここでも中国の故事を詠み込んでいます。

そして逢坂山を越え、大津から近江八景の辛崎(唐崎)へと歩を進め、20年ぶりの旧友に再会。そこから東海道(現国道1号線)を通って、鈴鹿山脈を越えて桑名、熱田へ。同行を願い尾張まで追ってきた僧の知らせで、崇敬していた円覚寺の大顛和尚の遷化を知り悲嘆にくれます。何句か弔歌を詠み、甲斐の山中(谷村?)に立ち寄り、江戸の草庵へ戻りました。

甲斐の谷村は山梨県都留市あたりではないかと解説され、前年芭蕉庵が火事で類焼した折、芭蕉はそこに疎開していたことがあると説明されました。

熱田から甲斐へのルートには、①熱田から北上、木曽から甲斐へ(中仙道) ②東海道の蒲原から富士川を溯り甲州鰍沢へ ③東海道三島から御殿場、富士の東裾野経由から山中湖経由で都留へ の3説がありますが、先生は地図を示しながら「4月10日に名古屋を発ち、下旬には江戸に戻っていることから、時間的に見て③ではないかと思います」と推測されました。

以上で『野ざらし紀行』の購読を終了しました。引き続き秋からは、本講座のテーマ《芭蕉と大和》で外せない『笈の小文』を後期講座として秋に開講予定の告知がありました。

台風の影響で雨天が続き、蒸し暑い日でしたが30人もの出席がありました。「身近なところを芭蕉が歩き、その足跡を遺していることがわかり、芭蕉の句に対しての関心が強まりました。情景も想像しやすいです」と話される受講生もありました。旧居の庭では百日紅の花が勢いづき、柿の実も太ってきました。

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