学校法人奈良学園

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◇2014-07-28 (月)

古典講読講座《芭蕉と大和》第4回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で古典講読講座《芭蕉と大和》第4回を開催しました。講師に、元奈良学園高等学校教員の吉村治彦先生をお招きし、月1回のペースで『野ざらし紀行』(芭蕉文集)を読んでいます。

講座前の"正しい言葉遣い教室"では、「ちょっと気になることば(言い方)」として、クイズ形式で問題が出されました。「この機会に私たちの言語生活、言語環境を振り返ってみましょう」とのことで、出席者の熱心な挑戦後、先生から文法的な解説とともに正しい言葉遣いが示されました。

本日は、江戸を8月に発った芭蕉が、伊勢神宮参詣するところからです。先生は音読しながら「芭蕉の文章は、単純ながら随所に故事を踏まえているところがすごいのです。その何気ない文や句の一つひとつに重なっている故事の意味を知れば、内容が大きく膨らんでいきます」と話され、追加資料でその説明をされます。

芭蕉は約1か月かけて郷里の伊賀に到着、再会した実兄と共に、前年他界した母親を偲んだ後、大和に向かいます。先生は芭蕉の足取りを書き入れた地図での確認も促しつつ、名張経由で初瀬街道を大宇陀に抜け、千里(ちり/同行の弟子)の故郷・竹内に歩を進めた芭蕉を追います。

「僧朝顔幾死返る法の松」と詠んだ句の碑が二上山山麓の當麻寺にあり、「當麻寺に行かれることがありましたら、この文と句の雰囲気を味わってみてください」

そして芭蕉は吉野山へ。尊敬する西行が終の棲家とした庵跡を訪ね、かの"とくとくの清水"を見て「露とくとく心みに浮世すゝがばや」と一句、伯夷(はくい)や許由(きょゆう)の故事を対句で記しています。

続いて芭蕉は、山城を経て近江に入り、不破の関(関が原)から大垣へ。道中、常盤御前の塚に源義朝の心を思い、秋風のわびしさを詠みつつ、木因(季吟に師事していた頃の同僚)の家にたどり着きます。

その後大垣から桑名へと南下、熱田(名古屋)へ足を延ばした芭蕉は、再び郷里・伊賀を目指します。今度は鈴鹿山脈を越え今の国道1号線を進み、伊賀で年を越します。

「次回は、年明けて奈良(東大寺・二月堂)入りし、春4月に江戸の草庵へ無事戻る芭蕉を追います」と予告されて、本日の講義を終えられました。

旧居では、夏の日差しの下、芝生の緑が青々と濃さを増し、百日紅が薄紅色の花を咲かせ始めました。

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