学校法人奈良学園

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◇2014-07-21 (月)

古典文学講座《古今和歌集》第3回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で古典文学講座《古今和歌集》第3回を開催しました。講師に京都女子大学国文学科教授の西崎亨先生をお招きし、月1回のペースで『古今和歌集』を読み解いています。

本日は『古今和歌集』にある「難波津の歌と安積山の歌」についてのくだりを、紫香楽宮跡から出土した「両面歌木簡」とともに考察しました。

はじめに『元永本古今和歌集』の仮名序を読みました。読みづらい変体仮名は先生に教わりながら、出席者全員で音読です。途中、汚れに見えた墨点などの説明がありました。漢字や片仮名のものと異なり平仮名のものは、書写されるたびに付け足しなどがあり、時代考察の特定は決まり通りにはいかないとのことでした。

『古今和歌集』には、難波津の歌は帝(仁徳天皇)の代の初めの歌で、安積山の歌は采女が戯れに詠んだ歌とありました。更に紀貫之が序文に、その2首は歌の父母のようなものであり、手習う人の最初の手本であると書いたそれらを、表裏両面に墨書した木簡が紫香楽宮跡から出土したことから思い巡らすことができる興味深い論考を進めていかれました。

序文にある「歌の父母...」についてはまだはっきりしないとのことで、「手習いの初めに」については、今で言う習字の手本でないことははっきりしているとし、今一度「序文」の仮名文字を読み返しました。そしてそこにある連綿文字と「さくやこのはな」のように同じ文言に注意を促され、「仮名の連綿の練習と同じ文言の表記の手本とした仮名資料のようなものがあったと思われます」とまとめられました。

受講生は、「(安積山の歌)が万葉集に収められる以前に木簡に書かれていたこと、また載っていないのにそれ(難波津の歌)が書かれた木簡が各地で見つかっていることに新鮮な驚きを覚えました」と話されていました。梅雨が明けたとされた本日はセミ時雨もにぎやかに、旧居の裏庭では崑崙朝顔が毎朝かわいい花を咲かせています。

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