学校法人奈良学園

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◇2014-05-26 (月)

古典講読講座《芭蕉と大和》第2回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で古典講読講座《芭蕉と大和》第2回を開催しました。講師に、元奈良学園高等学校教員の吉村治彦先生をお招きし、月1回のペースで『野ざらし紀行』(芭蕉文集)を読んでいきます。

前回同様、「ああ、勘違いのことば(言い方)」シリーズ②として、正しい言葉遣いの3択問題が出されました。

ミニテスト後、本日のテーマである「(俳聖)芭蕉の生涯」に入りました。先生は、「芭蕉は、比較的新しい時代の人ですし、資料も割合多く残り研究者もたくさんいますが、それでもわからない部分が多いです。我々読者は自由に想像を膨らませて読めばいいのです」と話されました。

そして、芭蕉の時代背景をつかむために、芭蕉の誕生から、37歳で江戸へ出、41歳で『野ざらし紀行』の旅を始め、51歳で亡くなるまでの社会情勢や文化の内容、生誕の地・伊賀上野、芭蕉の弟子(蕉門十哲)、家族などについて講義されました。

芭蕉は、5代将軍徳川綱吉の時代、平和な時代で元禄文化が花開いた江戸時代前半期の人であり、農家出身ながら幼少より俳諧に秀で、藤堂家で高虎の子・良忠と共にその道に精進した後、京都の北村季吟に師事、34歳で俳諧宗匠となりました。

先生は、芭蕉の俳号「桃青(とうせい)」の由来や門下生の人となりの説明の後、当時の俳諧師の収入の少なさと旅に要した多額の費用などを具体的な数字で示し、芭蕉は弟子たちに経済的支援をかなり受けていたことを話されました。旅の話の中では、伊賀と津を中心に京都、奈良、江戸への街道(大和街道、東東海道、伊賀街道、初瀬街道など)を地図で示しながら説明されました。

また、「寿貞尼」という芭蕉の同居人について、「彼女が芭蕉庵で亡くなっていることからしても、芭蕉は家庭らしきものを持っていたのではないかと思えます」と付け加えられました。「次回から入る『野ざらし紀行』もそうですが、音読したらなかなかいい文章が多いので、ちょっと読んでみましょう」と、先生が用意された資料『奥の細道』の冒頭を全員で音読して今日の講義は終えられました。

講義終了後、受講生の皆さんは、「時代背景や弟子のことなどをわかりやすく説明いただき、次回の『野ざらし紀行』が楽しみです」と話されていました。旧居の池では、睡蓮が花開き、モリアオガエルが久しぶりの雨を喜ぶかのように大合唱を繰り返していました。

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