学校法人奈良学園

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◇2014-05-19 (月)

近代文学講座第2回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で近代文学講座「奈良ゆかりの文学」(全5回)の第2回を開催しました。講師は京都大学以文会評議員で文学講師の植村正純先生です。

はじめに、この春上梓された同人誌『風鐸 第四号』(2014年4月)に、先生が寄稿されたエッセー『記憶の断片』の紹介がありました。最近話題になったニュースや流行語に関して、文学作品の文章を引用し、言葉の端々に思いをめぐらせたものです。

今回は、第1回に続き〔六條篤と多武峯〕ですが、六條篤を深く敬慕した太田静子について、彼女と太宰治の娘・太田治子の作品「指輪」(『心映えの記』)と「明るい方へ」(抄『父・太宰治と母・太田静子』)を読んで、その人となりを追いました。

講義は、先生が「指輪」作品のポイントを押さえ、解説を加えては読み進むという方法がとられました。太田治子は、作品のなかで"指輪"に象徴される母の人生を描いています。静子は、天真らんまんでロマンチスト。実に清らかな人だったようです。

「明るい方へ」で、「太田治子は自らを"斜陽の子"として 胸を張って書いています」と先生。作品には、静子の六條篤に対する深く清らかな恋慕と、それを妬き対抗心を燃やす太宰治も描かれていました。先生は「そういう人(太宰治の愛人・太田静子)が奈良の多武峰の六條篤と関わりを持っていたのです」と締めくくられました。

次回は、最近奈良市の奈良町のことを連作もので書いている髙樹のぶ子の作品『率川神社の易者』『奇しき岡本』『時を青く染めて』などを読んでいきます。

講座終了後、受講生から「太宰治の『斜陽』のモデルとなった人々が、奈良の地に実在した人と関わりがあり、訪れていたということに親近感がもて、作品もより深い読みがしたくなりました」との感想をいただきました。

旧居の庭では、珍しいチリアヤメが芝生の間から顔をのぞかせ、池畔では奈良公園からのお客様・モリアオガエルの夫婦が産卵時を見計らっているようです。

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