学校法人奈良学園

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◇2013-12-16 (月)

古典講読講座《徒然草》後期第4回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で古典講読講座《徒然草》後期第4回を開催しました。講師に、かつて本学園の奈良学園高等学校で教師をされていた吉村治彦先生をお招きし、来年2月まで月1回のペースで『徒然草』(吉田兼好/角川ソフィア文庫)を読み解いています。

本日は、12月5日に実施された特別企画「文学散歩~『徒然草』(兼好法師)を歩く!~」の収支報告等が先生からあり、京都の吉田神社、千本釈迦堂や仁和寺での記念写真が配られました。受講生の皆さんは、先生お手製の「しおり」のすばらしかったこと、見聞された内容、おいしかった『つれづれ弁当』や名残の紅葉を話題にされ、改めて先生にお礼を述べられていました。

先生は、「兼好が70年住んだ京都を一日で見て回るなんて到底無理な話です。今回の文学散歩をその一歩として、今後いろいろな楽しみ方をしてください」と締めくくって、本論に入られました。

さて、本日は前回の「品性と教養」の続きで《真の学問とは》からでした。「学問は大事ですが、何のために学ぶのか、ということですね」と先生は話され、用意されたプリントで第130段を、テキストで第134段を読み進められます。

そして兼好は、<自分を誇らない><人と争わない>ために学び、学ぶことによって<高職や巨利をも捨てることができる>とし、それが<自分をしっかり知り、自らを振り返り、解放された生き方につながる>としていることを読み取りました。

次に、『徒然草』中、最も長く、最大最高の評価がされている第137段の「始めと終わりの美学」に進みました。まず「花は盛りに・・・」を全員で音読、先生は「我々は物事の<盛り>を見がちですが<はじめ>から<終わり>までの過程で見る生き方が大事なのではないでしょうか」として、「<点>で捉えず、<プロセス>で見る!」とまとめられました。

以上、前回から6項目にわたってまとめられた「品性と教養」ですが、「自身を振り返る視点にしたいですね」と先生は話されて、次のテーマの《自分らしい生き方》に入られました。

第211段の「万の事は頼むべからず。・・・」の項を読みました。権勢、財産、才能、上司の信任、部下の掌握、人の厚意、約束など、現代人も"人生の拠り所"とするものですが、兼好は<当てにならぬ>と一蹴します。どれも自分のものではないからです。<寛大で、広い心を持て!>と。「心」だけは、確実に<自分のもの>であり、<自分次第>だからです。先生は「おおらかな心で生きる!」とまとめられました。

次に第231段を全員で音読し、「わざとらしい演出よりも、自然体の配慮を!」と、そして第84段で、厳しい自己鍛錬を積んだ人は他人の弱さを許せることを読み、「自分には厳しく、他人には優しく!」と学びました。

哲学的要素が増してきた内容に、教室からは「むずかしいなあ」というつぶやきも聞かれました。いよいよ次回は最終回です。受講生の皆さんは、先生の<まとめ>を楽しみにして、暮れの挨拶を交わしながら教室を後にされました。奈良では昨日から「おん祭」が始まり、今夜0時に春日若宮様の遷幸の儀が行われます。この神事を境に大和は冬本番を迎えることでしょう。

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