学校法人奈良学園

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◇2013-11-25 (月)

古典講読講座《徒然草》後期第3回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で古典講読講座《徒然草》後期第3回を開催しました。講師に、かつて本学園の奈良学園高等学校で教師をされていた吉村治彦先生をお招きし、来年2月まで月1回のペースで『徒然草』(吉田兼好/角川ソフィア文庫)を読み解いています。

本日はいよいよ一週間後に迫った特別企画「文学散歩~『徒然草』(兼好法師)を歩く!~」のガイダンスがありました。先生は、文学散歩コースの地図を付けた20ページに及ぶ「しおり」をご用意くださり、車中から垣間見るスポットも含めて実際に訪ねる『徒然草』の舞台や兼好法師ゆかりの地を順に説明してくださいました。

貸し切りバスと徒歩を使っての文学散歩コースは、京都七条通から東大路を北上して吉田神社へ、そこから一条通を兼好が5、6年仕えた後二条天皇の北白河陵を訪ね、今出川通を西進して大報恩寺へ行きます。そして北野天満宮経由で平野神社へ向かい、きぬかけの道を仁和寺へ。仁和寺は兼好が住まいしていた双ヶ丘に近く、『徒然草』では8段にもわたって仁和寺の僧侶のことが記されています。

仁和寺見学の後、兼好の墓がある長泉寺(非公開)、過去帳に兼好の名が記されているという法金剛院を車窓から見て、帰途に着きます。途中、妙心寺門前の京料理の老舗では「つれづれ弁当」をいただきます。

「しおり」には、この文学散歩に関連するものの、テキストの『徒然草』には無い段のプリントも添えられています。しおりを手にされた受講生の皆さんは、「すごくわかりやすい! 先生の労力に感謝です」と口々に話しながら、先生の話に耳を傾けられました。先生は「一度訪ねたからといってすべてを理解できるものではないので、何度も足を運んでください。いろいろな視点での楽しみ方があるということを知っていただくための企画です」とアドバイスされました。

この事前学習に多くの時間が割かれましたが、残りの時間で、本講座の課題<『徒然草』と私たちの生き方>の「品性と教養」について進められました。「品性」とは知性と感性の両方を兼ね備えた「調和の美しさ」でなければならない、しかも対人だけでなく自然や動物も含めた対万物というのが兼好の理想としたところです。

上品か下品かは会話ひとつにも表れると「会話のマナー」(第56段)を読みました。受講生の中から「自分のことを言われてるみたい・・・」などの呟きが漏れていました。「一時有名になった"オバタリアン"や"大阪のおばちゃん"、すべて悪いとは言いませんが、兼好の好まないタイプのようですね」と先生。「ここは生き方を考える大切なところですから、次回にもやります」と告げられて、本日の講座は終了しました。

旧居では紅葉が一段と進みました。玄関のカエデがきれいな橙色に、また中庭のモミジが真っ赤に色づいて、受講生をはじめ来館者の感動を誘っています。

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