学校法人奈良学園

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◇2013-10-28 (月)

古典講読講座《徒然草》後期第2回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で古典講読講座《徒然草》後期第2回を開催しました。講師に、かつて本学園の奈良学園高等学校で教師をされていた吉村治彦先生をお招きし、来年2月まで月1回のペースで『徒然草』(吉田兼好/角川ソフィア文庫)を読み解いています。

本日も『徒然草』の講義に入る前に、12月2日の特別企画「文学散歩~『徒然草』(兼好法師)を歩く~」の実施要項の説明がありました。先生は、寺社等見学スポットへの依頼交渉を兼ねてコースの下見に行ってくださり、「文学散歩のしおり」を作成中とのことです。現時点で20名あまり、受講生のほとんどが参加されることになり、次回の講座は実のある企画にするための事前学習にも時間を割かれます。

恒例のミニ講座「ちょっと気になることば(言い方)」シリーズ④は、<接頭語「お(御)」(尊敬・謙譲・丁寧他)の用法>についてでした。「お茶」「お食事」「お風呂」「おもち」など「お」を付けた20例を挙げて「相手に敬意を示す場合と幼児に話しかける時を除いて、普段使っている言葉はいくつありますか」と問われました。そして「私は<おもち>ぐらいでしょうか」と話され、『大辞泉』(小学館)の「お(御)」の説明に沿って、その用法例を教示されました。

続いて「対人関係では、尊敬・親愛・謙譲・丁寧の意を表すためにそういった言葉遣いをしますが、上品に表現しようとして何にでも「お」をつけるといったバカ丁寧過ぎるのもいかがなものでしょうか。『徒然草』のテーマでもある<上品>を考える意味でも取り上げてみました」と、本日のテーマ<品性と教養>に入られました。

本講座は<『徒然草』と私たちの生き方>を学んでいくものですが、前半が具体的な日常生活だったのに対し、後半は「少し抽象的ですが、"どんな生き方をしたらよいのか"を探っていきます」と先生。そして<人に言われてうれしい"ほめ言葉"best5-①顔(スタイル)がきれい ②仕事ができる ③頭がよい ④性格がいい ⑤品がよい->のいずれを望むかを問われました。

間髪入れず、「でも①~④の裏を返せば・・・」とシニカルな言い換えがあり、皆さんクスクス笑いから大爆笑に。「ある長所は優れているが、<何か>に欠けるのです。その内からにじみ出る<何か>、すべての長所を包括するのが<品性>でしょうか」と、テキストの該当段を読み進められます。

兼好は、「<心・才>は努力によって賢明になっていく」(第1段)と言います。「その<心・才>を何のために使うかが重要で、他者のために使うことで人格に深みが出てきます。<才>は知性で、心は<感性>。<品性>とは<知性>と<感性>を兼ね備えた人が発するものです」と先生が続けられます。

そして「自然を感受する心が、人間らしさを育む」と、第212段<繊細な美意識>、第20段<自然な営みに対する感動の心>、第21段<風流心・情緒を解する心>を読みました。さらに第43段で<人目のない時ほど、品のある振る舞いを>、第32段<月見る女の心配り>と進みました。

「本を読まずスマホに夢中の現代の若者には物足りなさを感じます」と話され、すぐに「それは若者に限らず現代人に欠けているもので、その人間の精神世界はおのずと雰囲気になって表れるものです」と続けられ、その言葉に皆さん苦笑されていました。このテーマは次回も続きます。

朝晩は肌寒ささえ覚えるこの頃、旧居では教室が暖まるまでストーブの出番があり、庭では実った柿の実の収穫も始まりました。本日は、旧居の茶室でお茶会を催されたグループがあり、和服で見学される方々の姿も見られました。

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