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◇2013-10-25 (金)

秋期特別講座
「志賀直哉・美術・宇宙の神秘」(全7回)の第7回を開催

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本学園のセミナーハウスである志賀直哉旧居で秋期特別講座「志賀直哉・美術・宇宙の神秘」第7回を開催しました。この講座は、この地の芸術や文学に残る貴重な遺産を継承するために、6年前に発会した"白樺サロンの会"有志を講師に開かれるものです。第7回目の本日は、相愛大学教授の橋元淳一郎先生に「宇宙の神秘 ギリシャ哲学から現代物理まで」と題し講義を行っていただきました。

橋元先生は、「今日は、人は宇宙というものについてどう考えてきたのか、人間の宇宙観について古代ギリシア時代から現代までを追ってみます。気楽に聞いてください」と講義に入られました。そして「僕は物理学=哲学だと思うんです」と話され、虹を例に<実在とは何か>を、絵画「モナリザ」を例に<美と対称性と対称性の破れ>を説明、「<対称性の破れ>がなければ多様な世界は生まれず、美しくない」と説明されました。

そして、プロジェクターで哲学者の写真を示されながら、<古代ギリシャ哲学の宇宙観>として「万物は水である」としたターレス、数の神秘を解き「ピュタゴラスの定理」で知られるピュタゴラス、当時は認められませんでしたが現在脚光を浴びている原子論説のデモクリトスへと、エピソードと共にその物理(哲学)論を聞かせてくださいました。

続いて、世直し哲学で死刑判決を受けた師・ソクラテスの遺志を継ぎ、「洞窟の話」(イデア論)で国の在り方を論じたプラトン、天動説の常識人・アリストテレス、天動説のプトレマイオスと、ルネッサンス期まで進まれました。

次は<17世紀の科学革命~天動説から地動説~>です。ここでは、死の直前に地動説を発表したコペルニクス、ティコ・ブラーエとその助手・ケプラー(ケプラーの惑星の法則)の功績争いの話があり、『天文対話』を出版し宗教裁判でローマ法王に破門されたガリレオ・ガリレイ、ケプラーの3法則を<万有引力>という一法則ですべて包括したアイザック・ニュートンが登場しました。

続く20世紀は物理学革命です。アインシュタインの相対性理論、ゼノンの逆説的量子力学、そして宇宙は膨張していることの発見があり、ビッグバンと素粒子論が生まれました。

最後は、21世紀現在の宇宙論です。先生は宇宙論最大の謎として、<ダークマターとダークエネルギー>にも触れられました。「われわれはこの宇宙の存在の4%しか知らない。残りの23%がダークマターであり、73%がダークエネルギーなのです」として、ダークマターの存在根拠を挙げていかれました。

現在、<超ひも理論>で多次元の宇宙研究も進んでいるそうです。「宇宙の年齢は137~138億年、そしてあと100億年ぐらいで終焉を迎えるというのですが、いいじゃないですか、それでも」と笑って話を結ばれました。

台風27号の影響で昨日から降り続く雨のなかを出席された受講生の皆さんは、「<実在><量子><素粒子>などの専門用語が頻出しましたが、ギリシャ時代から地道な研究があったこと、それが宗教に弾圧されたこととか興味深い話ばかりでした」「宇宙という壮大な空間の話にロマンを感じたのと、同時に物理学的な研究の変遷が楽しかったです」と話されていました。

また、講座終了後、先生が「りずむ 第二号」に寄稿された『相対論の直感的認識』について、受講生から質問があるなど、高い関心を持って講座に臨まれている方もありました。旧居の庭では、ツワブキが黄色い花を付け、秋雨にぬれた葉が趣を増していました。

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