学校法人奈良学園

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◇2013-04-22 (月)

平成25年度 古典講読講座《徒然草》第1回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で古典講読講座《徒然草》第1回を開催しました。講師に、かつて本学園の奈良学園高等学校で教師をされていた吉村治彦先生をお招きし、来年2月まで月1回のペースで『徒然草』(角川ソフィア文庫)を読み解いていきます。

初回の本日は、まず先生の自己紹介がありました。先生は現在、大学予備校に在職され、「過去10年間は受験指導の『徒然草』でしたが、その制約から解放されて皆さんと一緒にじっくり読めることに喜びを感じております」と話されました。

次に講義の年間計画に触れられ、「本来は始めから終わりまで通しで読むのが基本ですが、こういう読み方をしたら面白いと思う組み立てをしました」とおっしゃり、前半は「世間」「人間関係」「日々の暮らし」「欲望」など"具体的"なものをテーマに、そして後半は「憧れ」「気品」「教養」「自分らしい生き方」といった"抽象的"なテーマで進めるとのことです。

そして「これはお遊びですが・・・」と前置きの後、センター試験の問題を提示され、それを解きつつ、古典解読には品詞分解と動詞の活用形をみる、主語を押さえるのがポイントと話され、入試の採点についての興味深い話も伺えました。

続いて、『徒然草』の序文や解説を参考に、作者・吉田兼好も含めた全体像のレクチャーがありました。それによりますと、吉田兼好は、神道界の名門に生まれますが若くして出家、鎌倉時代から室町時代への移行期、南北朝動乱の乱世に一生を送った人です。そして、"読書は古人との対話"(第十三段)として中国の古い哲学書や日本の古典を好み、和歌にも力を注いだ人でした。

第二百四十三段の「父子問答」から、兼好が幼少期から知的であったことを読み取った後で、「いくつか読んできてお気づきのように、和漢混淆(こんこう)文なので、抵抗なくスッと入っていける読み物です」「現代に生きる我々との接点も多いように思いますので、テーマごとに読み取っていきましょう」と結ばれました。

講座の終了後、「これから1年間、先生のお話が楽しみです」「『徒然草』とともに、自分の人生についても考えてみたいです」と話される受講生や、早速先生のところへ走られ、時代による「あはれ」の使われ方の違いについてなど質問される方もありました。

旧居の南庭では、青色のかわいい花を幾重にも付けた十二単(じゅうにひとえ)が満開です。

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