◇2013-02-05 (火)
奈良学園キャリア開発センターの看護職キャリア開発スクールを大阪会場(AP梅田研修室)で行い、「訪問看護ステーション小規模事業のマーケティング」をテーマに、奈良学園キャリア開発センター所長 奈良文化女子短期大学教授 石田秀朗氏が講師を務めました。
これまで主に看護職対象の講座を実施し、専門職である看護職に集中する内容だけではなく他業界の事例を参考に、看護職のみなさんが生き生きと仕事に打ち込める職場作りや、視野を広げた新しい看護スタイル作りに関する内容を伝えてきました。
今回、新たに相談の多い訪問看護ステーションの経営について、所長クラスの方を対象に、各ステーションで役立つヒントの数々を紹介しました。
石田氏ははじめに、売れる商品の共通点について話しました。カメラを購入すると決めた客が売り場でどのカメラを買えばいいのかと選ぶことで苦労している現状を例え、選ぶのが大変な時代は価値の分かりやすいものが売れ、客が買うのは「価値」「意味」だと強調しました。
訪問看護ステーションに置き換えても同様で、利用する理由、すなわち、どのような利用者にどのような価値を提供する訪問看護ステーションなのかという利用価値(個々の強み)をアピールして、「このような利用者にとってはうちのステーションが適していますよ」という利用者が自分に宛てたものだと気づくメッセージを投げかけることが大切だと伝えました。
そのためにも、価値を分かりやすくする伝える構造が重要で、マーケティング活動が大切だと続けました。ニーズに応える「需要対応」から利用者が気付いていないところまでを提供できる「需要創造」への切り替えが大事で、店をたたもうとした美容室や居酒屋、近くに大型量販店が出店した町の電気屋さんなどが元気になった事例を紹介し、何がポイントだったのかを伝えて、今回のセミナーを終了しました。
参加者から「ステーションを再開するためのヒントをいただきました」「胸に響きました。明日から前向きに進めます」「看護職の経験があり、やりがいもあるのに売り上げにつながらずに困っていました。今日のお話で気付かされたことがたくさんあります」など、様々な感想が聞かれました。