学校法人奈良学園

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◇2012-11-12 (月)

後期古典講読講座《平家物語》第2回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で後期古典講読講座《平家物語》第2回を開催しました。当館の北森貞次館長を講師に、『平家物語』(日本古典文学全集/小学館)を読んでいます。

前日の雨が上がり、舞い落ちた色とりどりの紅葉が庭の随所で錦の輝きを放っていました。先週は、「原田伸郎のこの街ええなぁ」の取材で原田伸郎さんが当館に来訪、明日はタカラジェンヌのお一人が取材に同行されるとのことで、錦秋の旧居の放映が待たれます。

本日は、『平家五之巻』文覚上人の役どころについてですが、その前に清盛の<都遷(みやこうつし)>と<都帰(みやこがえり)>を読みました。

治承4年6月2日に福原遷都が行われ、3歳の安徳帝以下、摂政、公卿・天上人は慌しく福原へ入ります。鳥羽に幽閉されていた後白河法皇も福原へ移され監禁されます。ここで清盛は琵琶法師をして「平家の悪行においては悉(ことごと)くきはまりぬ」と語られるほど、悪人に仕立てられています。

物語は、神武天皇から桓武天皇の平安京まで代々の帝が40回にもわたって遷都を繰り返した経過を追い、平家の先祖でいらっしゃる桓武天皇が執心されたこの都(平安京)を大した理由もなく遷すとは「あさましけれ」と清盛を批判。そして380余年続いた花の都がさびれて田舎になってゆくのを嘆きます。

ここで先生は「志賀直哉も20~30回転居しましたが、私小説作家であり写実的作家であった彼は、居を変えることで新しい題材に取り組んだのです」「でも最初は数年のつもりだった奈良に13年も居たのは、直哉が奈良をいいところだと認めていたからですね」と話されました。

さて都遷は、帝も臣下も嘆き、比叡山や興福寺をはじめ、あらゆる寺社が良くないことだと言い、強情な清盛も都帰を決意します。都遷からわずか半年後のことでした。福原は宋との交易に至便な地であり、平安京は興福寺や比叡山が近く、清盛にとって南都北嶺は、わずらわしい地でもあったことが理由の都遷でしたが、「清盛晩年の失政として読み取りましょう」と先生。

さて「この後、源氏がどのように息を吹き返すのか、文覚抜きに頼朝はなかったわけですが、次は皆さんが読んでください」ということで、『文覚荒行』を受講生全員で音読しました。文覚上人は、腕白で豪傑、型破りな人で、その挑んだ荒行の内容を読んでいきました。

講座途中で、旧居の柿で作った干し柿の振る舞いがあり、皆さん「甘くておいしい」と喜んで召し上がられました。次回(11月26日)は<勧進帳>からで、文覚上人が政治世界にどのように関与していくのかを学ぶ予定です。なお、当館最寄のバス停(破石)から滝坂の道までの大通りでは、ナンキンハゼの紅葉が見ごろを迎えています。

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