学校法人奈良学園

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◇2012-10-22 (月)

後期近代文学講座第1回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で後期近代文学講座「文学表現の諸相」(全8回)の第1回を開催しました。講師は京都大学以文会評議員で文学講師の植村正純先生です。

最初に本講座のガイダンスがありました。全8回の講座の中で先生は、田辺聖子、谷崎潤一郎、志賀直哉、森敦やヴェルコールほか十指に余る作家の作品を予定されているのですが、「異色で少しユニークな(個性的で文学史上高い内容の)作品を取り上げます」「欲張りなつまみ食いで、その表出方法の多様性と魅力について読み取っていきましょう」と話されました。

そして「今までの講座でも申しているように "大きな独り言"大歓迎です」と、つぶやき的な意見をどんどん出すようにと勧められました。また、40名もの受講生で満室状態の講座室に、「疲れたら適当に休憩をとってくださいよ」と、ジョークもまじえた気遣いの言葉がありました。

作家作品に入る前に、先生が某誌に寄稿されたエッセイ『ぶんがく途中下車』から「奈良からの文学便り」と「ひとつの文化」の紹介がありました。

そこに引用された『裏返しの自伝』(梅棹忠夫)の一文から「"知的プレーボーイ"にあやかり、この場が『へぇ~、知らなかった』ことの共通理解の楽しさを味わい、知的好奇心の喚起の場となればと思います」と、講座への思いを語られました。

休憩を挟んで、田辺聖子の『文庫日記』中の「梁塵秘抄」のくだりに入ったのですが、その前に『梁塵秘抄』そのものの抜粋をざっと読みました。あまたの人間の盛衰の渦中にあった後白河院が編集した今様集『梁塵秘抄』です。

その民衆の歌と後白河法皇の心情に対する田辺聖子の考察を読んでいきました。先生は「田辺聖子が現代に生きる人間の目を通して、院の民衆への慈しみや憎しみを読み取っていく文章の冴えに、彼女の持つすばらしいエリアの一端が読み取れる作品です」と結ばれました。

次回(11月5日)は、田辺聖子の『アフォリズム(葴言/しんげん=評言)』からの予定です。

旧居の庭では木々の紅葉も始まりかけ、柿の実も色づいてきました。先週までは障子や立て戸も全開にしていた講座室ですが、今日は途中で閉めるほど冷え込み、秋の深まりを感じさせました。

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