学校法人奈良学園

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◇2012-07-09 (月)

特別公開講座《古典文学シリーズIV》を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で古典講読講座《平家物語》第7回を開催しました。当館の北森貞次館長を講師に、『平家物語』(日本古典文学全集/小学館)を読んでいます。

本日は『小教訓』からです。先生は「この『小教訓』と次の『教訓状』は重盛が中心になる段です」と前置きされて講義に入られました。さて物語は、平治の乱の首謀者の処分をめぐって、極刑を命じようとする清盛に忠言する重盛とのやりとりで進みます。

後白河法皇の近臣で、新大納言成親の処分を死罪妥当と清盛が言えば、重盛は、仏教や儒教の道を説いて「そういう蛮行を行使すれば清盛や平家の未来はない」と諭します。成親は、妹経子が重盛の妻、娘は重盛の子維盛の妻という、関係にあります。

清盛は、重盛の"略・・・父祖の善悪は子孫に及び、積善の家に余慶、積悪の門に余殃・・・"との言葉に納得、成親を流罪に決めました。が、内心は収まらぬ清盛、「保元・平治の乱で後白河法皇を守るために死闘を繰り返した我らだが、この謀反の張本人は法皇なのだ。放っておいては平家追討の院宣が下されよう・・・」と、法皇の流罪を決めますが・・・。

清盛は今にも戦わんという武装姿、対する重盛は烏帽子・直垂姿で、清盛が出家の身で太政大臣という殿上人であるのに甲冑に身を包むのは礼に背き、法皇処分は仏教儒教の法に背くと諭していきます。

平家物語が語られる調子で、歯切れ良い音読で進められる先生ですが、随所でその言葉遣いや古典の文法を押さえられます。例えば、「ひじりづか」は、平安時代の女流文学言葉で「何の飾りもなく、坊主の頭のよう」をより美しく表現したものと説明、教室は笑いに包まれました。現代でも使われている言葉「以の外(もってのほか)」や「さっと」などの擬態語・擬音語など擬声語の多用も平家物語の特徴だ、とのことです。

梅雨の晴れ間となった本日も教室は満席でした。重盛が親の清盛にもっともな意見を言う場面の展開に、受講生の皆さんは暑さも忘れるぐらい面白味を感じていらっしゃる様子でした。「先生が、いくつかの言葉について『調べてみたら面白いですよ。論文のひとつも書けます』と言っておられたから、やってみようかしら」と話される方もありました。

旧居の池では、気を揉ませていたモリアオガエルのおたまじゃくしがやっと姿を見せ、それを見守るかのようなメスガエルの姿も見られました。

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