学校法人奈良学園

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◇2012-04-16 (月)

特別公開講座《古典文学シリーズIV》を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で古典講読講座《平家物語》第1回を開催しました。当館の北森貞次館長を講師に、『源氏物語』を読み終え、本日から『平家物語』に入りました。

テキストは『日本古典文学全集』(小学館)です。まずはあの有名な『祇園精舎』の一文を全員で音読しました。そして先生から「七五調の名文ですね。万葉時代はほとんどが五七調ですが、平安時代に入ると七五調となり、『平家物語』は完全な七五調です」と、万葉集の歌2首を例に説明がありました。

続いて先生は、「"っ"と詰まる促音便が多いのが特徴ですが、関東の武士言葉の影響です」「今でも関東では、"ちゃった"言葉を使いますね」「漢字の音読みも多いですが、和漢混交文なのも特徴です」と、文章表記の説明から入られました。

また、資料の「藤原氏・平氏・源氏の系図」をもとに、その流れを桓武天皇から追って、源氏が21姓もあって幅広いのに対し、平氏は一本化しており、『源家物語』はないが『平家物語』が成立した背景であるとか、「序章では清盛を賛美していません。逆賊として滅んで当然として書かれていますが、人の世のはかなさという無常観を漂わせていますね」などという予備知識を授けてから、本文の続きを進められました。

さていよいよ清盛の出生です。桓武天皇第五皇子から9代の後胤、讃岐守正盛の孫であり、刑部卿忠盛朝臣の嫡男ですが、一説に白河院の皇子とも。北面の武士として六波羅を警護していた忠盛の武勇の褒美として、白河院寵愛の祇園女御を授けられましたが、そのとき女御は白河院の子を懐妊していたのです。「女子なら朕の子に、男子なら忠盛の子にして武士にせよ」と、いうわけで忠盛の子として育てられます。

清盛51歳で病気になるとすぐ出家入道、病はたちどころに癒え、「平家にあらずんば、人にあらず」たる繁栄ぶりでした。『禿髪(かぶろ)』の段では、清盛は14、5歳の童300人もの頭を禿(かぶろ)にし、赤い直垂を着せて秘密警察のようなことをさせ、平家の悪口一つ言わせないよう自分を守っていました。次回は『祇王』からです。

受講生の中には、「大河ドラマの脚色と、平家物語とを読み比べていけるのが楽しみです」「系図の説明があったので時代背景とかがわかり、よかったです」とおっしゃり、今後の講座内容に期待される方も多いようです。

本日は、受講生の一人が持参されたアケビ(通草)の花が玄関や婦人の間に生けられたり、平城東山野草愛好会から寄贈いただいたショウジョウバカマ(猩々袴)とハルリンドウ(春竜胆)の2鉢が前庭を飾ったりして、その可憐な花姿が旧居を訪れる方々の目を楽しませています。

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