学校法人奈良学園

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◇2012-02-06 (月)

特別公開講座《古典文学シリーズⅢ》を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で特別公開講座《志賀直哉旧居で読む古典文学シリーズⅢ》第10回を開催しました。本講座は"源氏の後半生"として『花宴』から『幻』までの要所の抜粋を、紫式部の男性観、女性観などとともに読み進めています。講師は当館の北森貞次館長です。

久々に本降りの雨日となり、旧居の庭の木々や苔の緑が一層青みを増していました。雨で足元も悪い日でしたが本日の講座も満席、皆さんが月2回のこの日を心待ちにしていらっしゃるのが見て取れるようです。

この日は『初音(はつね)』からです。源氏が完成させた二条院邸、先生は「一夫多妻時代のハーレムです」と皆を笑わせられてから、「源氏が正月早々その4つの町に住まわせている女たちを年賀訪問、その住み分けの様子が描かれた面白い段です」と進められました。

まずは自分と正妻・紫の上が住む春の町は"生ける仏の御園"、そこには明石の上の姫を預かっています。夏の町には花散里が"あはれなる御なからい"(情趣があって互いに空気のような夫婦関係)で住み、夕顔(と頭中将)の娘・玉蔓が預けられています。

秋の町には秋好む中宮(六条御息所の娘)が里帰りの住まいとしており、暮れ方に訪れた冬の町には明石の上が"なまめかしく"住まっています。そこに泊まった源氏ですが、紫の上には「明石の上の所でうたた寝をしてしまった」と言い訳します。

『玉蔓(たまかずら)』から『初音(初音)』『胡蝶(こちょう)』『蛍(ほたる)』『常夏(とこなつ)』『篝火(かがり火)』『野分(のわき)』『行幸(みゆき)』『藤袴(ふじばかま)』『真木柱(まきばしら)』の10帖は「玉蔓十帖」ともいわれ、玉蔓のことが中心に書かれているので、講座でもその抜粋を読んでいくことになります。

玉蔓に嫌がられながらも言い寄ったり、手や髪に触れたりしながら何かと彼女に近づく源氏、それを息子の夕霧に盗み見されてしまいます。話がややこしくも面白くなったところで時間切れ。「次回にもう少し読み進んだあとは、玉蔓と六条御息所、そして源氏の話をしようと思います」の予告で締めくくられました。

「学生時代に戻ったみたいな楽しさです。あっという間に時間がたって・・・」と、ひとしきり源氏の物語の世界に遊ばれた受講生の皆さん。そのお一人が「庭に咲いたロウバイです」と、持ち寄られた一枝が早速玄関に活けられ、甘い香りを漂わせていました。

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