学校法人奈良学園

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◇2012-01-23 (月)

特別公開講座《古典文学シリーズⅢ》を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で特別公開講座《志賀直哉旧居で読む古典文学シリーズⅢ》第9回を開催しました。本講座は"源氏の後半生"として『花宴』から『幻』までの要所の抜粋を、紫式部の男性観、女性観などとともに読み進めています。講師は当館の北森貞次館長です。

年明け初めての源氏は『薄雲(うすぐも)』からです。源氏は明石上に二条院に近い所に移るよう勧めますが、明石上は田舎者であり女性としての魅力に欠けるという不安から決断しかねます。その控えめさに源氏は魅かれているのです。一方、太政大臣と藤壺の他界後、藤壺に仕えていた老僧都が、冷泉帝出生の秘密を告白します。

自分が桐壺帝ではなく源氏と藤壺との間に出来た子と知り、世が荒れるのは親を臣下に置いているからと譲位を申し出ますが源氏は辞退、冷泉帝の苦悶が続きます。そんななか、源氏は昔契った朝顔が父の喪で斎院を退いたのを機にまた近づき始めます。

源氏(37~38歳)は、叔母の五の宮の見舞いだと正妻の葵上に言い訳して朝顔のいる桃園宮へ通いますが、そこには17歳の頃関係した源内侍のすけ(77~78歳)がいました。この源内侍のすけは、悪しざまに書かれているのですが、「モデルは式部の兄嫁です」との先生の言葉に、皆さん笑い声を上げられました。

順番では次は『おとめ(乙女)』ですが、それは源氏の嫡男夕霧と六条院を描いた面白い段なので、また改めてということで、『玉蔓(たまかずら)』に進みました。筑紫の国で育てられた夕顔の忘れ形見・玉蔓は、初瀬観音詣でに来たのを見つけられ、実父の頭中将には内緒で六条院の花散里に預けられます。

先生は、源氏の栄華である六条院の「春の町」「夏の町」「秋の町」「冬の町」を、用意の資料で示されながら、正妻・葵上、花散里、明石上などそれぞれを住み分けさせたことなどをそのいきさつ、人間関係とともに面白く説明くださいました。

続く『初音(はつね)』でその六条院での様子を読み進みます。女性たちの境遇や源氏の女性たちへの気遣いなど、次回をお楽しみにといったところです。冬の旧居の南庭の柊の木の下で、冬の花蕨が一本、黄土色の胞子をつけていました。

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