学校法人奈良学園

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◇2012-01-16 (月)

秋期第3講座「近代文学シリーズIV」の第6回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で秋期第3講座「近代文学シリーズⅣ」(全6回)の第6回を開催しました。講師は京都大学以文会評議員で文学講師の植村正純先生です。

先生はまず、新春の挨拶に代えてと『ぶんがく途中下車』元旦号へ寄せられた"新春へのエール"と題した一文を紹介してくださいました。それは、井上靖の『そんな少年よ、おめでとう』を引用されて、これは若者への期待とエールであり、同時に人生の節目の意義を見失いがちな現在の大人社会への励ましや諭しとしても受け取れるということでした。

次に、奈良県の歌人・前川佐美雄と、やはり歌人であり画家である六條篤とを、司馬遼太郎の言葉を借りて学びました。それによると、前者は、「無為の抒情と反抗」「孤高独善」「駘蕩」「悠久」などの言葉が当てはまり、「奈良県人のいい面を蒸留し抜いたような人」とのことです。

また、古い家柄と多武峰の郵便局を守るという宿命の中に生きた後者については、奈良県の誇りと哀しみを代表する芸術家と賛じています。シュールレアリズムの絵画、モダニズムの形式を取らざるを得なかった詩歌、その見事さは、知性という靭性の強いバネでもって感情を抑えてイメージを飛翔させていると。

続いて芥川龍之介の俳句を、高浜虚子との親交や、"文学の眼"を開けてもらったという斎藤茂吉との出会いに触れながら味わいました。21世紀に世界42か国で翻訳されている芥川文学、先生は「彼の"不条理の世界の中で、人間の姿を追求する作品"が、今も新鮮に求められるのでしょう」と話されました。

年明け初の講座でしたが、本日が最終回とあって、ほぼ全員が出席、皆さん先生の一言一句も漏らすまいというように、資料を目で追いメモを取りながら、耳を傾けていらっしゃいました。終了後、ほとんどの方が、「たくさんの知らなかったことを教えていただけ、毎回ワクワクでした。もっと本を読まなくては・・・」とおっしゃって、帰途に就かれました。

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