学校法人奈良学園

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◇2012-01-27 (金)

志賀直哉のお孫さん夫妻来訪

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居へ直哉のお孫さんである志賀道哉氏ご夫妻(東京都在住)が来訪されました。お二人の来寧はそれぞれ学生時代の旅行以来で、旧居へは初めてとのことです。朝10時から夕方までを当館で過ごされました。

北森貞次館長の案内で、まずは2階客間から。パノラマの見晴らしや粋を凝らした数寄屋造りの細部をご覧になり、行方知れずだったのが昨年暮れに見つかった仏像のことなどを、質問を交えたりメモを取ったりしながら終始熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

1階の書斎、茶室、五衛門風呂のある風呂場、女中部屋、そして食堂、サンルーム、夫人の間、子ども部屋、庭へと、昼食やティータイムを挟んでは、直哉の設計の斬新さや機能性などを見て取られるとともに、理想の人間関係を築こうとした造りであることを感じ取られたようです。

昼前には、西川彭理事長も駆けつけ、旧居復元に至るまでの経緯などを含めながら歓談、理事長の「前理事長の英断で当学園が保存・復元させていただくことになったのですが、これは奈良県だけでなく日本の貴重な財産であり文化財です」との言葉に、「祖父が自ら設計したというこの家を残していただいて本当に感謝です」と道哉夫妻。

午後には隣家の中村一雄氏も見え、35年前旧居の保存運動に立ち上がったこと、いろいろな人の力で実現したこと、「復元に際しては、お父様が提供くださった150枚もの写真や、幼少時のご記憶が大いに役立ちました」と感慨深く話されました。中村氏の幼少の頃、"隣の声の大きいおじさん"だった直哉については、「祖父は週4日カンシャクを起こして父を叱ったそうです。あだ名が"瞬間湯沸かし器"ですから」と道哉さん。

また動物好きな直哉は、この旧居でも多くの動生物を育てていましたが、東京でも「アヒルや猿、ウサギ、ワニまで飼っていて、動物園のようでした」「息子1人と娘6人とその家族が毎年元旦には集まったものです」と、高校生当時までの祖父との関わりを懐かしみながら、東京での志賀家の様子なども語られました。

日のあるうちにと4時頃から、周辺で直哉と関わりあった人たちの住居跡を訪ねて散策後、「叔父(直那氏)に、足を運べと言われて参りました。実際に見て触れて、祖父の小説と同じくこの家も伝えたいものがある"作品"なのだと実感しました。今日は日帰りですがまた訪ねます」という言葉を残し、日も落ちかけて氷雨模様の奈良公園を徒歩で駅へ向かわれました。

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