学校法人奈良学園

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◇2010-09-27 (月)

秋季特別公開講座B(全5回)第2回を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で秋季特別講座B『奈良と文学』の第2回目を開催しました。
本講座は直哉の文学はもちろん、奈良を愛した作家たちの作品とそれにまつわる諸々のエピソードを5回通しで学ぼうというものです。講師は京都大学以文会評議員の植村正純先生、一部を同館の北森貞次館長が務めます。

当日は第1回の「鷗外と奈良点描」パート2として、大正6年(1917)帝室博物館(現国立博物館)総長に任じられ、毎年正倉院宝庫開封に立ち会うため大正10年まで毎秋奈良を訪れた森鴎外が折々に詠んだ『奈良五十首』を学びました。

先生は"二生(二つの人生)を生きた"鷗外の、文学者として、また陸軍軍医として晩年の帝室博物館総長として国の官吏であった人生と、遺言「余は石見人森林太郎として死せんと欲す・・・」を紹介、生地・津和野の一介の田舎人として死にたいと宣言した彼の人となりを説明した後、毎年のように正倉院宝物の曝涼期間を過ごし、奈良を愛して詠んだ歌五十首を一つひとつ丁寧に、準備くださった資料を紐解きながら読み進めてくださいました。

「先生のお話は、根幹を進みながらその枝葉に至るまでお詳しいのと、斜から見た裏話が楽しくて・・・」と追っかけファンもいるのが、うなずける内容。受講者には、京大に学びキノコの研究で知られる元大阪府立大学農学部教授の衣川堅二郎さん(83歳)も在籍、文明学の梅棹忠生氏との交流談もうかがえました。

出席者の中にはその足で、講義に登場した鷗外が住まいした官舎の跡地の「鷗外の門」(奈良国立博物館北東の角地)や、大塔宮(護良親王)が逃走中に隠れた般若寺の唐櫃を見に行くという方々もいました。

次回は10月25日(月)、いよいよ志賀直哉の作品に入ります。短編『クローディアスの日記』と『范の犯罪』の読書が宿題です。秋の夜長を、志賀直哉の世界へどうぞ。

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