学校法人奈良学園

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◇2010-12-06 (月)

冬期公開講座《古典シリーズⅠ》第2回を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で冬期公開講座《志賀直哉旧居で読む古典シリーズⅠ》の第2回目を開催しました。本日のテーマは『源氏物語 宇治十帖』の「第四五帖 橋姫」、講師は当館の北森貞次館長です。

先生はまず前回の復習として、宇治十帖のキーポイントは「匂兵部卿」と「薫中将」の二人であることを確認して「はしひめ」を読み進められました。「はしひめ」では、1.宇治にいる八の宮とはどんな人か? 2.薫と八の宮との結びつきは? 3.八の宮は娘たちに何を語ったのか? 4.薫が弁御許聞(べんのおもと)から聞いたことは? がポイントになるということです。

夫婦仲の良かった八の宮(桐壺帝の皇子)ですが、幼い姫二人を残して北の方は早世、すっかり元気をなくして着衣にも無頓着な生活を送ります。子らを置いては出家も出来ず、姫たちに書や琴などの手習いをさせながら俗聖の態で世をはかなんでいたところ、居宅まで火災で失うことになり宇治に越します。冷泉院のバックアップにより、やっと貧乏から脱出・・・、のあたりで残念ながら本日は時間切れとなり、続きは次回1月10日の講座へ。

紫式部の情景・人物描写の巧みさや筆運びの速さを味わいながら、先生は「たはふれ」と「たはむれ」などのbm通韻や「のごふ(ぬぐふ)」の同行通韻(同じ行は通い合う)という現代にも通じる日本語の特徴など多くの雑学を、古語の解説に付して教授くださり、「最初、時間をかけておけば、あとの読解が楽になります」とのこと。また当時貴重品であった紙(執筆用の紙)は藤原道長がせっせと紫式部へ供給していた(しかし想いが報われることはなかった)などのエピソードなども交えての楽しい講座でした。

受講生の皆さんは、「前回は平安時代の文化に、今日は日本語がこのように変遷してきたのか、という驚きがあり、今後がますます楽しみです」とか、「昔物語の手法による皇室の方々の実名表記で物語がより面白いし、先生の楽しい解説でわかりやすいですわぁ」と、年明けの講座が待ち遠しそうな様子でした。

旧居周辺の木々の葉はほとんど舞い落ちましたが、小春日和の今日は、中庭の南天の実の朱が一層鮮やかでした。

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