学校法人奈良学園

ニュース & トピックス
ニュース & トピックスニュース & トピックス

ニュース & トピックスニュース & トピックス

◇2011-02-08 (火)

冬期公開講座《近代文学シリーズⅠ》(全6回)第3回を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で冬期公開講座《志賀直哉旧居で読む近代文学シリーズⅠ》(全6回)の第3回目を開催しました。本シリーズは、講師に京都大学以文会評議員の植村正純先生をお招きして、井上靖と志賀直哉の作品を読み進めていただきます。

暦通り立春からいきなり春が到来、この日も外気温11℃、旧居の庭やサンルームに注ぐ日差しも明るく、講座はいつもに増してなごやかな雰囲気で進められました。

前2回に続き井上靖の詩から学び始めていますが、その47編の詩(先生手製の資料)にナンバーを打ち、大きく「青春・成長」「人生(人生観・とも・懐旧)」「ふるさと」「その他」と分けて、まずは「青春・成長」編からその作中の「私」という登場人物の心情を読み進みました。小学生、受験生、青年期それぞれの節目は、作者が老境に達する昭和の終わりから平成初期にかけての時代にも通じるものがあり、作者は若き日への懐旧と共にその主人公たちを通じて若者にエールを送っているということです。

先生は「大きな独り言、寝言を言ってください」と、皆の読み取りを大切にされ、受講生による詩の音読も交えながら進められました。途中、旧居の見学者の入室に、食堂と隣接のサンルームについて快く説明、「昭和初期、この部屋で志賀直哉を中心にそうであったように、今その文化サロンの真似事をしているわけです」と話されました。

今日も「とんだことを思い出しました。"とんだ"ことは"とんでもない"ことではないのですが・・・」と、井上靖の「青春」の詩中にある石動駅に関連して演歌を披露される場面もありました。演歌の歌詞も言葉の勉強の上で興味深いということです。

出席者の一人は、「毎回教えていただく内容もアカデミックですが、講座の皆さんと顔なじみになってきて、"サロン"というムードに近づきつつありますね」と、2週間後を楽しみに旧居を後にされました。

▲ページトップ

Copyright (C) Naragakuen. All right reserved.