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◇2011-03-28 (月)

冬期公開講座《古典シリーズⅠ》(全8回)第8回を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で冬期公開講座《志賀直哉旧居で読む古典シリーズⅠ》の第8回目を開催しました。本日は前回に続き『源氏物語 宇治十帖』(日本文學大系17「源氏物語四」)の「第四七帖 あげまき(総角)」から「第四八帖 さわらび(早蕨)」「第四九帖 やどりぎ(宿木)」へと読み進みました。講師は当館の北森貞次館長です。

さて大君の妹を思う企てで匂宮の妻の座が確定した中君でしたが、何事が起きたのかもわからないといったうぶな心から匂宮を薫君と比較して匂宮のほうが良いと思うほどになる女心の変化を見せます。ところが、匂宮は遠路を通うのは大変な上に、母君の明石中宮(光源氏の娘)から、プレイボーイ振りを諌められ間遠になります。更に都で縁談まで進みます。姉の大君は妹を気遣うあまり、病の床へ。

回復の兆しなく、見舞った薫に看取られて大君は亡くなります。最後まで薫を夫としては受け入れなかった大君でしたが、心の中では薫を慕っていたと思われます。またこの時代に高貴な身分の人は死人を見てはならなかったそうですが、薫は火葬にも同行しています。

物語は「第四八帖 さわらび(早蕨)」、続いて「第四九帖 やどりぎ(宿木)」に移ります。中君は匂宮の住む二條院に迎えられることになりますが、匂宮は六君(夕霧の娘)と結婚、次第に足が遠のきます。嘆く中君を慰める薫、中君の妊娠、中君は屈折した女心を見せ薫に恋文を・・・と物語は展開していきます。

薫の人物像が徐々に露わになってくる下りです。単に優柔不断なだけかと思えば、結婚相手にも位の高い(高額所得)女性の娘を選ぶなど計算高いところなどが出てきます。さて中君の恋文にどう動くのか、次回以降の補講に期待するところです。

昨日までの冬寒と打って変わったこの日、氷室神社の枝垂桜も一気にほころび始め、旧居の南庭芝生にも春の陽ざしが木立の影をくっきりと映していました。4月7日はオプションで『宇治十帖』の舞台・宇治を有志で訪ねる予定です。

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