学校法人奈良学園

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◇2011-05-16 (月)

春期第2講座《古典文学シリーズⅡ》第2回を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で春期公開講座《志賀直哉旧居で読む古典文学シリーズⅡ<源氏物語>》第2回を開催しました。本講座は"源氏をめぐる女性たち①"として紫式部の男性観、女性観などを読んでいきます。講師は当館の北森貞次館長です。

本日は、宮中でいじめ抜かれた桐壺更衣が死んでしまったところからですが、講義は系図の復習から始まりました。桐壺は亡くなってから「三位(さんみ)」という、后ではトップ級の位を授かり、「なくてぞ」とそのすばらしさを偲ばれました。このあたりの書き過ぎない式部の表現手法を先生は「うまいですねえ、ここに住まいした直哉もそうでした」と、直哉がここに住まいを持つ因となった仏像の腕のことに触れ、全部書ききってしまう谷崎文学との比較もさらりとありました。

さて母亡き後、光源氏の祖母まで亡くなりますが、七歳の儀の「ふみ始め」をするまでに成長。桐壺帝は「いまは、誰も誰も、えにくみ給はじ。母君なくてだに、らうたうし給へ」と第一夫人・弘徽殿女御のところへ渡るときにもお供に連れて行き、御簾の中にまで入らせる始末。弘徽殿も源氏のその美しい容貌と聡明さとに、目が離せないほどになります。源氏の成長過程とそれを取り巻く人々のやりとりを前回学習した、古典における「音韻の変化の法則性」などを押さえながら、スピードアップして読み進みました。

そして、故先帝の四宮・藤壺が入内します。姿かたちがあやしきまでに桐壺に似ていて、あれほど桐壺を恋い慕っていた帝さえも心は藤壺に移っていきます。光源氏は藤壺を母君の面影と重ね慕いますが、父子で同じ女性に思慕を寄せるということに・・・。次回はいよいよ『源氏物語』最初の山場にさしかかっていきます。

薫風香る5月半ば、旧居の池の住人・モリアオガエルが産卵を始めました。池にせり出した柘植の木の、水面から60~70センチぐらいの高さのところに野球ボール大の白い泡状の卵。そばにはその主らしいメスとオスのモリアオガエルが金色の目を光らせていました。一週間後ぐらいには、池に落下した赤ちゃんおたまじゃくしたちが、元気に泳ぎ回っていることでしょう。

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