学校法人奈良学園

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◇2011-06-06 (月)

春期第2講座《古典文学シリーズⅡ》第4回を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で春期公開講座《志賀直哉旧居で読む古典文学シリーズⅡ<源氏物語>》第4回を開催しました。本講座は"源氏をめぐる女性たち①"として紫式部の男性観、女性観などを読んでいきます。講師は当館の北森貞次館長です。

梅雨の合間の晴れ間となった本日、旧居の中庭にはテイカカズラが白くかわいい花をつけ、かすかな芳香を放っていました。また南庭では、ホタルブクロも白い釣鐘状の花をつけ、早速玄関などに生け込まれていました。

本日は「雨夜の品定め」の続きから入りました。物忌みで内裏に籠っていた源氏と頭中将に左馬頭、藤式部丞も加わり、女性論を語る場面です。先生は、「ここは源氏物語の中で重要な箇所です。何故かと言うと、男性から見た当時の女性論であり、女性(式部)から見た女性論でもあるからです」「つまり物語の伏線だからです」と押さえてから、頭中将の体験談『夕顔』に入りました。

控えめゆえに頭中将の妻問が間遠になり、夕顔「山がつの 垣は荒るともをりをりに あはれはかけよ撫子の露」、頭中将「咲きまじる 花はいづれとわかねども なほ常夏に しくものぞなき」、夕顔「うちはらふ 袖も露けきとこなつに あらし吹きそふ秋も来にけり」と、やり取りがあった後、夕顔は姿を消します。「わずらわしいほど慕ってくれれば、放ってはおかなかったのに・・・」と振られ男・頭中将の言に「男は勝手ですねえ」と先生。受講生一同、爆笑です。

次は藤式部丞がまだ文章生の頃の賢女との体験談を受けて、左馬頭が「賢くても知識をすべてひけらかす女も問題だ」などなど、3人がそれぞれに話すのを聞きながら、源氏は藤壺のことばかりを心に思って胸きゅんの態。結局理想の妻はどんな人なのかというところです。さて物忌みも空けた源氏は本妻(葵上)のいる左大臣邸に戻ろうとしますが、"方位塞がり"なので、方違えして紀伊守邸へ。そこにいる義母の空蝉を口説いていくのでした。

少し時間を延長して講座は終わりましたが、受講生の皆さんは「面白いからあっという間やったわ~」と、本日も源氏物語の世界にひとしきり遊ばれて帰途につかれた様子でした。中には、旧居近くの鹿苑にて開催中の「子鹿の赤ちゃん公開」に立ち寄られた方々もあったようです。

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