学校法人奈良学園

ニュース & トピックス
ニュース & トピックスニュース & トピックス

ニュース & トピックスニュース & トピックス

◇2011-06-27 (月)

春期第1講座(全6回)最終回を開催

本学園セミナーハウス・志賀直哉旧居=奈良市高畑町=で6月27日、「志賀直哉旧居で読む近代文学シリーズⅢ」と「地名から視たやまと文化」をテーマに、春期第1講座(全6回)の最終回を開きました。高畑サロンとして文化人や画家たちが集った当時の息吹を感じられる場所で、文学に触れ親しもうと定期的に講座を開いています。

最終回の講師は、前回に引き続いて京都大学以文会評議員の植村正純氏です。松尾芭蕉や島崎藤村の晩年の作品を中心に、作風の変化をひも解かれました。ちょうど前日に世界遺産登録が決定した平泉中尊寺の話題から切り出し、松尾芭蕉の「奥の細道」の「五月雨の降りのこしてや光堂」などの句を紹介されました。この句は、金色堂(光堂)が物を腐敗させるほどの梅雨の季節に降る雨も、ここだけ降らなかったように輝いているという内容です。まるで絵のような表現がこれまでと違うと注目し、「作品に芸術的な効果を考え意図的にフィクションを加えることがある」と青年期には見られない晩年期作の特徴を語られ、島崎藤村や正岡子規の作品も例に挙げられました。

最後に、松尾芭蕉の菩提寺は伊賀にあるものの、墓が大津の義仲寺(ぎちゅうじ)に存在するのはなぜかと問いかけらました。芭蕉の直筆の遺書には記されていないものの、弟子たちが生前の芭蕉から聞いた通りに葬ったと言われていることや、芭蕉が木曽義仲を大変に気に入っていたため、さらに、故郷を思うがゆえの行為と理解されていることなどを紹介されて、今期の講座を終えました。

次回は7月と8月の夏期特別講座(全5回)と、9月からスタートする秋期講座2本の計3講座を予定しています。

▲ページトップ

Copyright (C) Naragakuen. All right reserved.