学校法人奈良学園

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◇2011-07-04 (月)

春期第2講座《古典文学シリーズⅡ》第6回を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で春期公開講座《志賀直哉旧居で読む古典文学シリーズⅡ<源氏物語>》第6回を開催しました。本講座は"源氏をめぐる女性たち①"として紫式部の男性観、女性観などを読んでいきます。講師は当館の北森貞次館長です。

連日30℃を越す暑さが続いていますが、セミナー室に当てられている旧居の食堂は、引き戸が開け放たれ、窓は外されて、南庭から中庭へと風が流れるように設えられていました。

本日は第3巻『空蝉(うつせみ)』の続きです。源氏を拒絶する気持ちと恋慕の心と、時計の振り子のように揺れる女心を見せる空蝉。片や源氏の恋心は募る一方です。またしても空蝉の寝所に忍び込みますが、源氏の香りに気づいた空蝉は単衣一枚を着てすべり出ます。後に残ったのは横で休んでいた空蝉の義理の娘・軒端荻(夫・伊予介とその先妻との娘)。

少し大柄だなと思いつつも源氏は軒端荻と関係を持つのですが、空蝉を忘れられず、彼女が置いていった小袿を持ち帰り、それをかき抱いて寝る始末。蝉が抜け殻だけを残すように空蝉もまたそうやって逃げていったのです。さすがの源氏も弱音の第一声を吐きます。

式部は若くけがれのない女性・軒端荻をこのまま捨て置かず、物語の中でちゃんとフォローを見せるそうです。講座は、第4巻の『夕顔(ゆふがお)』へ続きます。17歳の源氏に、それまで浮いた話が無かったかといえば否、六条の御息所へお忍び通いがあったのです。これはその頃の物語。病重い乳母の大貮を見舞いに行ったその隣の家に・・・。続きは次回で。

旧居の南庭には擬宝珠(ギボウシ)が薄紫の花をつけ、その隣りに甘草(カンゾウ)が濃い朱の花を咲かせました。プール横の琵琶(ビワ)も実をつけ、一茎の綟摺(モジズリ/ネジバナ)が華を添える池ではおたまじゃくしに後ろ足が生え始めています。

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