奈良学園中・高校の茶道部11人が8月2日、本学園のセミナーハウス「志賀直哉旧居」＝奈良市高畑＝の茶室で、夏期講習を行いました。旧居での講習は今年で2年目を迎え、部員たちは浴衣姿になり、秋の文化祭でお点前を披露しようと熱心に取り組みました。

講習では裏千家の今井楢千代先生から指導を受け、上級生がお点前を披露した後、亭主と客になり歩き方や席入りの仕方、菓子の頂き方など作法を教わりました。普段は学校の和室で練習をするため茶室が初めてと話す生徒もいて、静寂に包まれた茶席で、皆、真剣な表情を見せながら稽古に励みました。

特に、文化祭で中心になる高校2年生は、通し稽古を行い、帛紗さばきや茶碗の拭き方など細部に渡り、美しい所作の指導も受けました。一方、中学生は、上級生や顧問の指導を受けながら、『点（たて）だし』の稽古を繰り返しました。

今井先生は、「『極める』ということよりも、作法を学ぶことで女性らしい身のこなしを覚えてほしいと思います。将来、必ず役に立つと思います」と茶道をたしなむよさを話し、顧問の食満教諭は、「茶室で練習を重ねることで、『お茶を楽しむ心』を養ってほしいです」と続けました。今秋の文化祭で引退する高校2年生は、「茶席を仕切る側になるので、稽古を重ねて悔いの残らないようにしたい」ときりっとした表情で意気込みを語り、旧居での稽古を終えました。