学校法人奈良学園

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◇2011-08-22 (月)

夏期特別講座「奈良、高畑に佇んで」を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で夏期特別講座「奈良、高畑に佇んで」第5回を開催しました。本講座は"白樺派サロン"のメンバーである先生方に講師となっていただいています。本日は「高畑と景観」と題して、洋画家の中村一雄先生をお招きして講義いただきました。

中村先生は、志賀直哉旧居の隣宅に住み、幼少時に直哉を"隣りのおじさん"として接触のあった方です。
「風景を描くときは、現場での感動が大事です。景観は人任せでは守れない。住民のコミュニティーが必要です」と語られ、この土塀の多い高畑界隈の美しい町並みを残したいと、旧居も含めた景観の保存運動の先頭に立ってこられました。

高畑は、春日大社などの神官や禰宜が住む社家町(明治4年の官社制度及び神官の世襲制度の廃止で姿を消す)でした。道筋に続く土塀など独特の雰囲気が好まれ、多くの芸術家や財界人の別荘地となったということです。

先生は、社家町当時の住宅地図や、進駐軍がこの地を住居にした頃の絵のカラープリント、「京阪神ゆかりの作者展」(2011年春/高島屋)に出品された「高畑の土塀の通り」(F10号)などを資料に、自然豊かで土塀のある町並みの美しさとを繰り返されました。

後半は、先生の知己で、直哉と深い縁のある谷崎潤一郎の旧邸「石村亭(せきそんてい)」(京都市左京区下鴨)保存に尽力されている日新電機株式会社の井上昌幸氏にバトンタッチ。氏からは、この直哉の旧居との比較も交えながら、谷崎の女性関係やこの邸で生まれた作品についてなど興味深い内容の話を伺うことができました。

この日は、ゲストも含め定員を上回る受講者があり、サンルームも使っての講座となりました。皆さん、志賀直哉と谷崎潤一郎双方の作家活動の舞台を垣間見ることができた充実感と、石村亭への深まる関心を胸に帰途につかれました。

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