学校法人奈良学園

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◇2011-09-05 (月)

秋期第一講座「詩作・歌作の楽しみ~私の詩歌~」を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で秋期第一講座「詩作・歌作の楽しみ~私の詩歌~」第1回を開催しました。本日は現代詩でご活躍の司茜先生をお招きし、「ひのしずむ時まで私は私でありたい」と題して講義いただきました。

司先生は、大和郡山市在住ですが、福井県高浜育ち、約20年前から詩作活動をされています。冒頭で「故郷・若狭には原発4基があります。そこに住む人々の思いに立って、19年詩作を続けてきました」とおっしゃり、「その原点は1992年10月26日の科学技術庁の広告」と、そのコピーを示されました。明日香の亀石の上に座る女性の写真と"「亀石」をはじめあらゆるものが放射線を放っているのだから、原子力は安全"みたいな内容に、「これはなんでや!」と悲しい思いになったと。

自作詩集の『若狭に思う』(1994.5.31)から「若狭に思う」を、『番傘をくるくる』(2002.7.12)から「若狭内浦の里」、『塩っ辛街道』(2010.12.16)から「蜷局(とぐろ)」などを朗読しながら、「詩ってなんやろ」とのテーマでわかりやすく進めていかれました。「私が捉えた、疑問視した社会事象を書いても、力になることはないかもしれないけれど、誰かの目に触れることもあるかと思うのと、自分の生き様を言葉に表現するという意味・楽しさとで続けています」と話されました。

そして、演歌歌手・中村美律子の『都なら』の歌詞は先生作詞と披露され、そのきっかけは、前述の「若狭に思う」(第4回日本海文学大賞)の中の「・・・もう千年でしょうか まだ百年でしょうか 昨日のことでしょうか・・・」のくだりを請われたことによるということです。次回は少し砕けた作品と表紙画の作家さんにもおいでいただけるとのことです。

実は司先生、この旧居で近代文学講座を担当される植村正純先生の"追っかけ"(ご本人の弁)受講生の一人です。その力量をご存じの植村先生のご推挙もあって当講座が実現しました。聴講された植村先生から「いろいろな方が集って話し合い学び合う・・・、ここがかつて(志賀直哉時代)の高畑サロンの復興になればと思います」とのコメントがありました。

台風12号の余波で雨模様でしたが、遠く鞍馬や姫路方面から出席された方もあり、帰り際には「大変楽しいお話でした」、「先生の感性に感動しました」と、口々に感想を述べられていました。旧居の「秋の講座」は鈴虫の鳴き声で始まり、庭ではツクツクボウシも秋の訪れを告げていました。

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