学校法人奈良学園

ニュース & トピックス
ニュース & トピックスニュース & トピックス

ニュース & トピックスニュース & トピックス

◇2011-09-12 (月)

秋期第一講座2「詩作・歌作の楽しみ~私の詩歌~」を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で秋期第一講座「詩作・歌作の楽しみ~私の詩歌~」第2回を開催しました。先週に引き続き、現代詩でご活躍の司茜先生に「ひのしずむ時まで私は私でありたい」その2を講義いただきました。

前回は、原発への危惧など郷土愛や人類愛に貫かれた作品とその背景などでしたが、本日は、先生の"情念"の部分ということで、人間の心の奥底に潜む思いを日常の言葉で紡いだ作品を中心に話されました。「番傘」、「千年」、「奈良少年刑務所」、「半殺し」、「二上山」ほかの作品を朗読され、制作時の思いや表現法について説明してくださいました。

「半殺し」は「とある女性への思いをぶつけた」もので、「禰宜の経」は「昨年この旧居へ植村正純先生の講座を受けに来て出来た詩」ということです。また「この詩集1円也」は、ご自分の詩集がネット書籍販売で1円になった時の自分の内面を書いてみたとおっしゃり、教室は笑いに包まれました。

後半は、先生の若狭時代からのご友人であり、詩集の装丁画の作者・藤原和子さんによる原画を披露しながらのお話でした。"輪の形"から"心の形"へと色と形の妙味を楽しみながらの創作活動とのことで、「タイトルは付けません。自由に感じてください」と。司先生の第1作『若狭に想う』(1994年発行)の表紙は、藤原さんの"毎日現代美術大賞受賞作"の大作でしたが、司先生は一目で「これを表紙に!」と決められたとのこと。あとの2作も「同じ若狭という風土に育った者同士、感覚的にわかり合えて」選んだと話されました。

講座は再び司先生にバトンタッチ、先生が最近魅かれていらっしゃるという「一体のトルソー」についてのお話でした。それは、厄除寺として名高い松尾寺(大和郡山市)の焼損仏(奈良時代)で、今のご本尊の前身の観音様ではと白州正子氏も『十一面観音巡礼』(講談社)に記している仏様です。先生はその焼け焦げてすべてがそぎ落とされた姿に"魂"を感じるとおっしゃり、受講生にも折あらば拝観をと薦められました。

おしまいに、司先生のご主人でやはり詩人の大倉元氏が手品を披露され、楽しく和やかに終了しました。夫人の間の前では玉簾(タマスダレ)が白く咲き競い、中庭には籔蘭(ヤブラン)がひそやかに咲いていました。

▲ページトップ

Copyright (C) Naragakuen. All right reserved.