学校法人奈良学園

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◇2011-09-19 (月)

秋期第一講座3「詩作・歌作の楽しみ~私の詩歌~」を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で秋期第一講座「詩作・歌作の楽しみ~私の詩歌~」第3回を開催しました。講師には、新短歌でご活躍の宮章子先生に「新短歌講話」と題して、新短歌の鑑賞をしながらその歴史などについて講義いただきました。

講座は、当館の北森館長による、「大和歌人協会設立趣意書」(昭和45年12月1日)の読み上げで始まりました。万葉集に代表されるように、かつて文学の聖地であった古代大和、その文化の継承のためにも、県下の歌壇の進歩と興隆をと結成され、多くの歌人たちの尽力により、現代の大和の歌壇があるとの前置きでした。

宮先生はまず自己紹介に代えてと、自作の新短歌16首を朗読。生い立ちや家庭環境、そして40年の教職時代と現在に至るまでを手短に紹介されました。創作は学生時代からということですが、昭和58年に口語自由律短歌と出会い「新短歌社」に入会、現在は「芸術と自由」同人、新短歌クラブ「潮」同人・編集であり、『満天の星に』『草笛の譜面』『風のピアニシモ』などの著書・歌集があります。

新短歌は、31文字にこだわらず口語(日常語)でその心情を吐露し、奔放・斬新な感覚で表現する短歌だと先生は説明され、先輩歌人たちの作品とその作風を紹介されました。そこには石川啄木や太宰治の娘の太田静子さんのものも含まれていました。

続いて新短歌の歴史について語られ、それは明治20年頃の言文一致運動に始まり、口語歌が広がり、自由律短歌・新短歌が隆盛してきたとのことですが、戦時下にあってはかなり抑圧されたとも言われます。

そして昭和10年「新短歌クラブ」を設立した新短歌のパイオニヤ・清水信は大和郡山市出身であり、志賀直哉の高畑サロンと同時期に清水サロンで後進の育成に当たっていたとのことです。先生の所属される新短歌クラブ「潮」(藤本哲郎代表)は平成2年夏に発会、短歌の継承と創造、そして書くことの"人間環境・人間風土"を拓くことに努めて今日に至っています。

先生の歌集『草笛の譜面』の装丁や挿絵は、先生の友人であり、大和郡山市の墨・象作家の吉田礼子氏の作品が原画だということで、"歌と墨のシンフォニー"と称した二人のコラボ作も披露くださいました。また次回の創作実技の前段として、新短歌の空蘭に言葉を埋める実作練習があり、受講生の皆さんは楽しく取り組んでおられました。

最後に北森館長が、良寛の辞世の句を例に「創作は "己をさらけ出すこと"。ものを創って書き留めてみてください。それが"自分が生きた証"になるのではないでしょうか」と結びました。

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