学校法人奈良学園

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◇2011-09-20 (火)

特別公開講座《古典文学シリーズⅢ》第2回を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で特別公開講座《志賀直哉旧居で読む古典文学シリーズⅢ》第2回を開催しました。本講座は"源氏の後半生"として『花宴』から『幻』までの要所の抜粋を、紫式部の男性観、女性観などとともに、読み進めていきます。講師は当館の北森貞次館長です。

物語は『あふひ(葵)』の続きからです。六条御息所の扱いのことで桐壺院から説教された源氏は反省の色を見せ、誰からも恨まれないよう公平に愛さねばと思っていた矢先、葵上が懐妊、わが子の母になる人だけに何かと気遣いするうち、また御息所と疎遠になってしまうのでした。

皇太后腹の女三の宮の齋院就任の神事儀式が賑々しく行われることになり、大将に任ぜられていた源氏も供奉として参列することになりました。一条の大路はその行列を見ようとする車列、更にその物見の車から垣間見える女性たちの袖口(衣装)を見ようとする人々でもいっぱいでした。行くつもりのなかった葵上ですが、女房たちにせがまれてにわかに 物見車を仕立てます。

そして、源氏物語の中で「雨夜の品定め」と並ぶ重要場面の「車争い」が起こるのです。
葵上の車は、お忍びで来ていた齋宮の母・御息所の一行を後ろに追いやり、自分たちがその前に陣取ったのです。源氏は葵上の牛車には敬意を払って通ります。愛しい源氏に気づいてもらえないだけでなく、侮辱されたことに深く傷ついた御息所でした。

さて、車争い後、御息所の傷心・乱心は続きます。一方、葵上には物の怪や生霊が付いていました。修法や祈祷をしてもどうしても離れない物の怪が一つあり、御息所か二條の君(紫上)だろうかと噂されます。続きは次回のお楽しみ・・・。

台風15号の迷走でぐずつく空の下を出席された受講生は、「物語の展開と古語、その双方の面白さにはまります」と、次回を心待ちにして旧居を後にされました。

このほど旧居には、かつて客間に安置されていて戦後行方知れずになっていた観音菩薩立像発見!のビッグニュースが舞い込みました。また書庫には、『座右寶』(直哉が自分の気に入った建物・庭園・絵画・彫刻など九十点近くを集めた写真集/大正15年版)も加わりました。

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