学校法人奈良学園

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◇2011-10-03 (月)

秋期第一講座5「詩作・歌作の楽しみ~私の詩歌~」を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で秋期第一講座「詩作・歌作の楽しみ~私の詩歌~」第5回を開催しました。講師には、短歌でご活躍の上田倫子先生に「短歌を楽しむ」と題してお話しいただきました。

先生は、当志賀直哉旧居の隣人さんで、朝な夕なに旧居を目にされている方であり、この自然豊かで文化的な高畑の魅力を存分にご存知の方です。主婦であったご自分が、40歳で短歌と出会ったいきさつから、奈良県が誇るべき歌人・前登志夫氏(1926~2008)に師事して学ばれたこと、そして現在の創作活動について話されました。

まず、短歌の魅力を「五七五七七の韻は生き物の心臓の鼓動のようでもあるし、文語には1300年の歴史を持つ日本人のDNAが引き継がれているような気がするのと、枕詞の持つ美しさ」と語られた後、 "自歌自注"でと、自作の歌をその創作時の風景や心情などと共に説明していかれました。 

「直哉旧居」の7首は、当旧居で半日あまり過ごされて作られたとか。「世間は直哉の作品ばかりを見ますが、ここには家族思いの直哉、人間的な温もりの実感があります。それを詠みました」とのことです。

次に昨秋出版された歌集『飛火野』の中から自選の30首を紹介されながら、「その場に居た者にしかわからない視点が大切です」と創作のポイントも押さえられます。そして「師の教えでもあるのですが、歌を詠むことは日常を丁寧に生きていくこと」であり、創作はそれを掬い上げる作業だとまとめられました。

帰り際、受講生に"題詠"として初句を「楽しみは」とする宿題が出され、次回はその合評会と、前登志夫氏の紹介をしてくださる予定です。一気に秋模様となった旧居の庭では、金・銀の木犀が香り、ホトトギスやフジバカマもひそやかに花をつけています。

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