学校法人奈良学園

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◇2011-10-17 (月)

秋期第3講座「近代文学シリーズIV」の第1回を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で秋期第3講座「近代文学シリーズⅣ」(全6回)の第1回を開催しました。講師は、京都大学以文会評議員で文学講師の植村正純先生です。

4回目となる近代文学シリーズ、季節は秋ということで「秋を描く」と題して、「今日と次回は "秋"が文学でどのように描かれているかを味わっていきましょう」と植村先生。芥川龍之介の『秋』、井上靖の『石英の音』『青春の粒子』、ヴァレリーの『海辺の墓地』ほか、島崎藤村、松尾芭蕉など、秋を描いた詩や小説からシャンソン、俳句に至るまで秋にちなんだ作品の資料をご用意くださり、定員をはるかに超える受講生の方々は、早くも興味津々の様子です。

最初に、当旧居の春の「地名学を踏まえた文学」講座で植村先生とペアを組んで講義くださった、文学博士・池田末則先生(7月18日ご逝去)のことをご報告くださいました。"地名研究の神様"とも称された池田先生が「あのとき(4月25日)俺は、最後の講義を志賀直哉旧居ですることができた」と生前の病床で何度も口にされたとのことです。

さて、秋の文学講座はあのヴェルレーヌの『Chanson d'automne』で始まりました。先生はまず、フランス語で朗読、その直訳をなさってから、上田敏と堀口大学の訳詩を紹介、韻と叙情のそれぞれを味わいました。そして、シャンソンの『枯葉』を原語で披露くださり、"喪失"から豊かな叙情が生まれると話されました。続いてサトウ・ハチローの『ちいさい秋みつけた』を受講生の一人で音楽家Mさんのリードで合唱、トワ・エ・モアの『誰もいない海』や高田みづえの『秋冬』も登場しました。

先生の「今日は"みんなのうた"の時間でした」との締めの言葉に皆さん大爆笑。「次回までに、資料の作品には目を通しておいてください」と、文学ファンにはうれしい宿題を持ち帰られました。継続受講の方が多い中で、今日が初めてという女性の方は「楽しかったです。ヴェルレーヌの詩をこんなに深く鑑賞したことはなかったです」と、今後の内容に期待を寄せていらっしゃいました。

旧居の庭には秋明菊(シュウメイギク)やホトトギスが花開き、柿の実も赤く色づいて秋本番を告げています。

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