学校法人奈良学園

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◇2011-10-24 (月)

クーカル・イン・奈良が開催されています

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で奈良フードフェスティバル2011「クーカル・イン・奈良」が開催されています。「拝啓 志賀直哉様 おいしい奈良、できました。」と題した食のフェスティバルは、「食いものはうまい物のないところだ。(『志賀直哉随筆集~奈良』岩波文庫刊)」という言葉を遺した文豪・志賀直哉にちなんだものです。

その志賀直哉が昭和初期の9年間を過ごした本旧居を会場に、本日と31日のランチとディナー、11月7日のディナー席が設けられ、文学関係者と名シェフのコラボによる饗宴が繰り広げられます。本日は、京都「修伯」の吉田修久氏の京料理に、ゲストは「古美術 佃(京都)」の佃達雄氏でした。

最初に当館の北森貞次館長が挨拶、直哉の日記の『妻子を可愛がろう。溺れないように愛しよう』という下りを引用し、「まさにこの家の造りは、家族への思いやりの結晶です」と語り、食堂の長押に珍しい赤松が使われていることを一例に挙げてデザインのモダン性なども披露しました。また直哉が編纂した『座右宝』を手に「志賀直哉は東洋美術に魅かれていた」こと、「この家で目指したいものがあった」と説明、お客さまたちは大きくうなずきながら聞き入っておられました。

続いてクーカルディレクターの土田美登世氏、クーカル実行委員長の門上武司氏が挨拶、「この建物の造りを見たとき、志賀直哉さんはきっと食いしん坊だったんだな」「フレンチも好きだったんじゃないかな」と感じて京料理とフレンチを、また「直哉の『小僧の神様』に関連して"鮨"を用意しました」と話されました。

佃氏は器の代表として陶器・磁器・染付・楽焼・常滑・備前・伊万里、そして中国・朝鮮・日本のものの代表として9点を用意、ユニークな語りで参加者を笑わせながら骨董の愉しみを紹介くださいました。かつて文豪と称された人々の背景には必ずといっていいほど骨董があったとか、町の文化度は古本屋と骨董屋の数で計られた時代もあったという興味深い話もありました。そして「料理は味と器と館で決まる」と結ばれました。

さていよいよ食事のスタートです。料理長・吉田氏は、「前菜からデザートまでの十品すべてに吉野本葛をはじめとする奈良の食材を使いました。"料理を科学する"ことで出逢ったことのない美味作りに挑戦中です」と話され、サービスが開始されていきました。

食事後には、佃氏からジャンケンで勝った客人に「古伊万里染付茶碗」がプレゼントされるといううれしいサプライズもありました。「考えに考えた素材と造りの建物に感動しました」「こんなすばらしい建物で、名シェフの料理をいただけて、大変に面白い内容でした」と、皆様、旧居にそしてダイニングの内容それぞれに大満足されたようです。

31日(月)は、ミシュラン二つ星のル・マンジュ・トゥー(東京/仏)谷昇氏と芥川賞作家で東京経済大学教授の大岡玲氏、11月7日(月)はすし独楽(東京/鮨)の柳原雅彦氏と白樺派研究の第一人者で同志社大学教授の生井知子氏による特別ダイニングです。

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