学校法人奈良学園

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◇2011-11-21 (月)

特別公開講座《古典文学シリーズⅢ》を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で特別公開講座《志賀直哉旧居で読む古典文学シリーズⅢ》第7回を開催しました。本講座は"源氏の後半生"として『花宴』から『幻』までの要所の抜粋を、紫式部の男性観、女性観などとともに、読み進めていきます。講師は当館の北森貞次館長です。

この冬一番の寒さとなったこの日、教室にはストーブを入れての講義となりました。近代文学の講座同様、受講生に旧居自家製の干し柿を召し上がっていただくと、「甘くておいしい~!」「寿命が延びました♪」と干し柿を作ったスタッフにお礼の言葉をいただきました。

本日は『みをつくし(澪標)』の続きからです。復権した源氏は、紫上にばかり関わっていたため疎遠になっていた花散里を訪ね、そのつつましやかな風情に魅かれます。先生によると、この花散里は源氏に最後まで面倒をみてもらった人だとのこと。余談ですが、作家の瀬戸内寂聴さんが源氏物語に登場する女性の中で一番好感を持っている人でもあるということです。

さて明石上には姫君が誕生。それを子ができない紫上に妬かせないよう、何かと言い訳して先手を打つ源氏でしたが、紫上は激しく嫉妬した挙句、「我は我なり」とうち嘆き、「おもふどちなびくかたにはあらずとも我ぞ煙にさきだちなまし」の心境に至るのでした。

朱雀帝から冷泉帝へと天皇が代替わりしたことで斎宮のお役御免となり母娘で帰京していた六条御息所は、突如として出家したものの病に罹り、娘の将来を源氏に頼みます。但し、恋人にはしないでと念を押します。源氏は、「10代や20歳過ぎの頃と違って、20代も終わりの分別ある私ですからご安心を」と慰めます。

次回は『よもぎふ(蓬生)』で常陸の宮邸でほったらかしにしておいた末摘花との、そして『せきや(関屋)』で夫の任地・常陸へ同行していた空蝉との再会を読み、『えあわせ(絵合)』に進むとのことです。絵合では、六条御息所の娘が冷泉帝の后になるそうです。物語は巧みな状況設定や伏線と共にどんどん進展していきます。

旧居南側の大通り、街路樹のナンキンハゼの紅葉が見ごろです。晴れた日には、旧居界隈を写生する人々があちこちで思い思いに筆を走らせています。

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