学校法人奈良学園

ニュース & トピックス
ニュース & トピックスニュース & トピックス

ニュース & トピックスニュース & トピックス

◇2021-02-27 (土)

最近の志賀直哉旧居(2月)

  • 最近の志賀直哉旧居(2月)



 旧正月が明けても続いていた厳しい寒さ、それもようやく緩み始め、徐々に陽の光があたたかい季節となってきました。旧居のサンルームでも陽光差し込む時間になると、あたかも本格的な春が訪れたように感じられます。
元食堂で今はセミナールームの花瓶には、満開の時期の終わった赤いサザンカが二輪、生けられています。まるで、過ぎゆく冬の季節に訣別を告げるかのようです。


20210218_002.jpeg


 談話『転居二十三回』によると、志賀直哉は生涯、23回もの引越しを繰り返したそうです。その中でも関東から関西に、そして関西から関東へと、文化圏の違う土地への引越しは、志賀直哉にとってはとても大きなエピソードであったと思われます。
 1923年3月には千葉県の我孫子から京都市上京区へ。その後、1925年4月に奈良県幸町へ。そして、1929年4月に、ここ旧居、高畑町の邸宅完成と同時に移り住みました。
 この場所で『暗夜行路』など、後の世に親しまれる多くの小説執筆の日々を過ごし、さらに、1938年3月に、再び東京へ転居することになります。志賀直哉は2月頃に転居を決意し、本格的な春を告げる風に梅の花が舞い散る季節を待ち、引越をしたようです。


20210218_003.jpeg


 現在、旧居の庭には、白梅が花盛りです。まもなく開花を迎えるアシビ(馬酔木)が咲き始め、ツツジ、サツキなどが蕾芽を緩ませています。またアオキやビワの新芽が顔を出し、苔が冬の深緑から生命の息吹を感じる黄緑の絨毯に変わりつつあります。旧居にも確実に春が訪れています。


20210218_004.jpeg

▲ページトップ

Copyright (C) Naragakuen. All right reserved.