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◇2019-01-29 (火)

近代文学講座後期第3回を開催

  • 近代文学講座後期第3回を開催
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1月28日(月)セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、「近代文学講座―文学表現の諸相―(後期3回目)」を開講しました。講師は京大以文会会員の植村正純先生です。


最初に、後期2回までの講座内容のおさらいをしました。
近代文学の作家が少年・青年時代の生い立ちの中でどのように家族や社会と接してきたのか。あるいはその環境の中で人生観、特に女性観を育み、どう表現してきたのかを検証しました。


次に、2回目から読み解いてきました水上勉の『近江石山晴嵐町』の内容を再読し、主人公が辿った人生と、それを描こうとした水上勉との共通性から生まれた表現について検証しました。
小説の前半を踏まえて後半を読み進めることで、当時の作家が普遍的に描こうとした「女性」と「母性」の両方に対する思いや、広い意味での「飢餓」と「渇望」、さらにはそこから生まれる「人生の不条理」についてお話をいただきました。


続いて、同じく水上勉の『壺阪幻想』の部分を読み解き、共通するテーマの表現手法や、特有の時間軸を飛び越えた書き進め方について確認しました。


旧居の庭のサルスベリの影に、ひっそりと何本かの僅かにうつむき加減のスイセンが咲いていました。
その表情は、スイセンに化身したと言われる美少年「ナルキッソス」のように、自己の人生を映し出す物語を語り続ける今日のテーマに似た空気を放っていました。


次回の講座は2月25日(月)に開催予定です。
次回は今回の水上勉の読み解きを振り返りながら、谷崎潤一郎の作品へと話を進め、当時の近代文学の作家像について、さらに検証していきます。

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