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◇2018-02-26 (月)

近代文学講座 《文学表現の諸相》後期第4回を開催

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2月26日(月)、セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、「近代文学講座―文学表現の諸相―(後期4回目)を、植村正純先生(京大以文会会員)を講師に開講しました。


まず冒頭で、前回から取り上げていたベルンハルト・シュリンク作『朗読者』の復習を行い、「喜び」と「苦しみ」、あるいは「愛」と「罪」という、相反するように見えながら、誰の中にもあるヒューマニズムの世界を、受講者と共に物語から読み解きました。


続いて、新たに同作家の最近の作品『階段を下りる女』を取り上げ、その物語の全体像を確認する共に、そこに登場する事業化、画家と、女性イレーネ、さらには物語を語る「ぼく」(弁護士)の4人が40年間の時間を超えて、今にたどり着くまでの心理的な側面について考察しました。
イレーネの美しい容姿を愛した事業家、イレーネが与えてくれるインスピレーションを愛した画家、そしてイレーネが歳老いてからの「ぼく」との出会いと結末の中から、『朗読者』と同じように、人間性あふれる普遍的な人間愛を表現するひとつの形が見え隠れしていることを確認しました。
さらに両作品に流れているもう一つのテーマは、共に自死を選んだハンナとイレーネの生き様を通して、読者一人ひとりが自分自身の存在意義について再度、問い詰めることの必要性が内在されていることを学びました。


最後に、ここ何回で読み解いた西洋文学ではなく、日本人の誰もが懐かしく思う高野辰之(作詞)、岡野禎一(作曲)の「ふるさと」についてのお話をいただきました。その中で、さまざまな方の視点で「ふるさと」をどうとらえているかの紹介がありました。


志賀直哉旧居ではこの季節、冬の彩りは陰り、梅など次の季節の開花準備がまさに始まったところです。その中で、講座を行なう部屋にも生けてあるスイセンの花が静かに咲いております。スイセンはギリシア神話では自己愛の神、ナルキッソスの化身だと言われます。自己へ愛をどうとらえるのか。それは志賀直哉を始め、多くの文学作家が取り組んだひとつの大きなテーマでもありました。


次回3月26日(月)後期第5回目の当講座では、『階段を下りる女』の解釈について、再度、確認を行なうと共に、ロアルド・ダール作の『天国への道』について、考察していきます。

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