◇2017-05-13 (土)
今回で11回目となる公開文化講座が志賀直哉旧居にて開かれました。
講師は、哲学者カール・ヤスパースの専門家で「人間存在の哲学」などの著者で知られる吉村文男氏(奈良学園大学名誉教授・京都教育大学名誉教授)です。
今回は「民芸」運動の指導者で理論的支柱として知られている柳宗悦(やなぎむねよし)について講演をいただきました。
柳と講師とのつながりは、鶴見俊輔(つるみ しゅんすけ)の柳宗悦の評「熱狂から遠い人」という言葉が始まりで、穏やかさと頑固さを兼ね備えた柳であればこそ、民芸と名付ける一般に軽んじられる日常的作品の中にも美を見出し、美醜の分別を超えた無分別の美のとらえ方に柳宗悦の佛教信仰のあり方があったことを「美の法門」を引用しながら、わかりやすく講話をされました。
次回は、5月20日(土)14:00から「柳条湖から真珠湾まで-リットン調査報告(1932)からハルノート(1941)まで-」と題し、木村 優氏(奈良学園大学名誉教授・奈良女子大学名誉教授)に講演をいただきます。