◇2016-06-13 （月）

古典文学講座《小倉百人一首》　前期第２回を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居において、「古典講座」の前期第２回が行われました。
テーマは「小倉百人一首」。講師は、元奈良学園高校教諭・吉村治彦先生です。

今回「厳選！　あの有名歌人たちの"究極の一首"」と題して、百人一首の中でも特に有名な歌人の歌が取り上げられました。その筆頭は、選者で権中納言定家（藤原定家）。

　来ぬ人を　まつほの浦の　夕なぎに　　焼くや藻塩の　身もこがれつつ

いくら待っても来ない人への思いを歌ったシンプルな恋の歌ですが、「巧みな技の使い方は定家ならでは。見事です」と、本歌取りや掛詞など、和歌の技法について先生は解説されました。ほかに今回取り上げられたのは、『伊勢物語』の主人公のモデルともいわれる在原業平朝臣、平安時代随一の専門家人・紀貫之、伝説の美女・小野小町など。先生は、それぞれの関係などと合わせて歌を解説されました。

梅雨の一日。旧居の庭のグラジオラスが雨露に濡れていました。また、池ではモリアオガエルのオタマジャクシたちが元気に泳いでいました。