学校法人奈良学園

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◇2015-11-09 (月)

古典文学講座《西行》後期第2回「西行と吉野」を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居において、古典講座の後期第2回目が行われました。講師は、奈良学園高等学校・元教員の吉村治彦先生です。

今回のテーマは「西行と吉野」。吉野といえば奈良を代表する桜の名所ですが、白洲正子氏によれば、吉野を桜の名所として最初に取り上げたのは西行だったと言います。それまでの吉野といえば修験者の修行の場であり、山深い秘境でした。
吉野の桜に魅せられた西行は、吉野で多くの歌を読みました。その数、69首。そのうち「吉野山」で始まるものは22首にものぼります。今回の講義では、なぜ西行がこうまで吉野に強い思い入れをもったのかについて考えました。

 あくがるる心はさても山桜 散りなんのちや身に帰るべき(山家集)
 花に染む心のいかで残りけん 捨て果ててきと思ふ我が身に(山家集)
 あはれとも花見し峰に名をとめて 紅葉ぞ今日はともに散りける(山家集)

山桜の美しさに心が体から離れていきそうなほど夢うつつな西行、出家時に花を愛でる気持ちも捨てたはずなのにと悔やむ西行、尊敬する園城寺の行尊大僧正にあこがれる西行など、吉野で詠まれた西行の歌には、さまざまな西行の表情が見て取れます。単に桜の美しさのみを表したのではない、奥深い西行の心の動きがあったからこそ、西行和歌の吉野が私たちを魅了するのではないか、との先生のお話に多くの受講生の皆さんが納得されたようでした。

雨の止み間のひと時、濡れた山茶花のくっきりとした紅色が印象的でした。また、庭の柿で作った干し柿が受講生の皆さんへ振舞われました。

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