学校法人奈良学園

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◇2015-08-10 (月)

古典文学講座《西行》前期第4回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で、古典講座《西行》の4回目がありました。講師は吉村治彦先生です。

今回のテーマは「西行と四国」です。前回の講義の通り、西行は和歌の面で関係の深かった崇徳院の追悼のため讃岐国を訪れています。讃岐といえば弘法大師空海生誕の地。西行は崇徳院の墓参とともに空海が修行を積んだ場所もたずねています。

京都・上賀茂神社から山陰道を経て讃岐入りを果たした西行が庵を結んだことは明らかですが、その場所については未だ定かではありません。11カ所の説があるといいますが、吉村先生は空海が釈迦に助けられたという我拝師山(捨身ケ嶽)にあったのではないかと述べられました。

白洲正子さんも著書『西行』のなかで述べられている通り、我拝師山からは崇徳院の御廟がよく見えるのです。先生は、白洲正子さんの文章を引用しながら、当時の西行の気持ちを紐解かれました。

また、瀬戸内海を挟んで讃岐国の対岸にある備前国児島での西行の句も紹介されました。

 立て初むる糠蝦(あみ)採る浦の初竿は 罪の中にもすぐれたるかな(山家集)

衆生済度を立願するという意味を持つ「立つる」と、漁師の「立つる」竿。同じ言葉であることに西行は着目します。漁は殺生戒を犯していますが、西行はそれを糾弾するのではなく、温かい目で見、さらりと詠み流しています。このような「大衆の目」をもち、自らの思いのままに歌を詠む「人間」西行の姿にたいへん魅力を感じると先生は話をされました。

暑さのピークは過ぎたのでしょうか。サンルームでは時折、涼しい風を感じることができます。中庭に続いて、前庭の百日紅も満開を迎えています。

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