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◇2015-07-28 (火)

平成27年度 近代文学前期講座第3回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で、近代文学講座《文学表現の諸相》の3回目の講義が行われました。講師は植村正純先生です。

この講義では、詩人と小説家、2つの顔をもつ井上靖の作家像と作品像を探ります。氏がどのような動機で詩、そして小説を書いたのかを実際の作品を読みながら紐解きます。前回の講義では、井上靖が作家を志すきっかけとなった作品、詩と小説、2つの『漆胡樽』(しっこそん)を読み進めました。

3回目となる今回のテーマは「創作のモティーフと展開」。詩、小説それぞれの『石庭』、そして『その人の名は言えない』を読み、それらに登場する「龍安寺の石庭」を井上靖がどのようなものとして描いているか、そしてその役割を考察しました。

一般に「美しい」と表現される京都・龍安寺の石庭について、井上靖は詩『石庭』のなかでは、「見る人を慰めた庭師の落莫たる精神」を感じるといい、小説『石庭』ではその精神が3人の登場人物たちの本人も思いもよらない決断をさせる媒体として描いています。さらに、小説『その人の名は言えない』では登場人物のかき分けのための素材として石庭を用いています。詩『石庭』が、その後の小説の背景に添えられているテーマ音楽のような機能を果たしていると先生は述べられました。

旧居の庭の百日紅の花が咲き始めました。鮮やかなピンク色が夏の空によく映えています。

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