学校法人奈良学園

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◇2015-06-22 (月)

近代文学講座《文学表現の諸相》第2回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で、近代文学講座《文学表現の諸相》の2回目がありました。講師は植村正純先生です。

この講義では、近代日本を代表する詩人であり作家である井上靖を題材にして、氏がいかにして作家と詩人の共生をなしえたのか、またどのようなプロセスや動機を経て作品を生み出したのかを、作品を紐解きつつ考えます。

今回は、前回に引き続き、井上靖が作家を志すきっかけになったという『漆胡樽』(しっこそん)を読みました。小説『漆胡樽』は昭和25年の作品ですが、その3年前には同名の散文詩が発表されています。井上靖は、昭和22年に発表したその詩を出発点に、そこから想像を膨らませて小説『漆胡樽』を書き上げました。植村先生の考察によれば、小説の内容は完全なフィクション。小説家として歩き出したばかりの作品にもかかわらず、その描写の精細さや文章の素晴らしさなど、たいへん質の高い作品だと先生は話をされました。

講義の中では、静岡県沼津市のクレマチスの丘に建つ「井上靖文学記念館」に詩碑のある『千本浜』という詩も紹介されました。この詩は、植村先生もお好きだと言います。少年時代に思いをはせる井上靖の作品を朗読される植村先生の声が旧居に響くと、奈良の旧居がまるで海辺にあるかのように感じられました。

旧居の庭には、紫陽花の大きな花が咲いています。前日の雨で芝生がきらきらと美しい朝でした。

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