学校法人奈良学園

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◇2013-06-24 (月)

古典講読講座《徒然草》第3回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で古典講読講座《徒然草》第3回を開催しました。講師に、かつて本学園の奈良学園高等学校で教師をされていた吉村治彦先生をお招きし、来年2月まで月1回のペースで『徒然草』(吉田兼好/角川ソフィア文庫)を読み解いています。

本日は前回のテーマ「世間」の宿題でもあった「こんな世間(社会)で、私たちは、どんな生き方をすればいいのでしょうか?」から始まりました。「兼好の時代もそうでしたが、現代でも言える"世間の無関心"に注目したいです」と話されて、屈指の名文といわれる<葬儀の後日談>(30段)の後半部分と、「偽善も善、偽悪も悪」(85段)の文末「偽りても賢を学ばむを賢といふべし」をピックアップして解説くださいました。

本日のテーマは<人間関係>。先生は、身近な人間関係として「友人/知人」「異性」「家族」と分類され、兼好はそれぞれにどんな極意を示しているのか、そして私たちはどう考え、どう生きればよいのか、その象徴的な内容の段や文章の"拾い読み"(先生談)を進められました。

まず、「友人/知人」では、阮籍(竹林の七賢人)の青い眼・白い眼(170段)で訪問マナーを手始めに、対人関係<良友と悪友の条件>7項目(117段)を挙げ、<友あれど心の友はなし>(12段)で兼好の考える友のキーワードは"同じ心"ではないかとまとめられました。

次に「異性」として女性論<女の本性ねじけ論>(107段)、男性論<男は女に磨かれる>(107段)、<いい男の条件>(3段)と読み拾い、兼好から学ぶ男女関係の極意を探りました。途中、教室のあちこちで笑い声が上がり、「逆も言えるわ~」などのつぶやきが聞かれました。

そして「家族」関係では、<独身礼賛論>(190段)をあげ、非婚論の草分け的存在だった兼好ながら、<家族愛の政治論>(142段)で「家族とは、愛の深い存在」とし、だからいい加減な気持で家族を持つべきでないと言っています。そして<若気と老熟と>(172段)で「異世代(若者と老人)」考察もしています。

最後に、<社交の極意>について記された233段を読みました。「何事にも誠意をもって当たり、差別せず、礼儀正しく、余計な口をきかない」のが最上であり、「あらゆる過失は、もの慣れた様子でベテランらしく見せ、他人を軽視する態度から生まれる」とありました。

先生は、「"基本はここにあり"に同感し、教えられます。ですが、兼好から学ぶというのではなく、どんな考え方をしているかという意識で読んで、参考になることは生かせばいいのではないでしょうか」と結ばれました。

次回7月22日は、『日々の暮らし』をテーマに"拾い読み"の予定です。
旧居の庭では、紫陽花が色づき始め、ギボウシの蕾も膨らんできました。池ではモリアオガエルが次々と産卵し、大小のおたまじゃくしとなって泳ぎ回っています。中には足が生えかけているものも観察できました。

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