学校法人奈良学園

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◇2013-05-27 (月)

古典講読講座《徒然草》第2回を開催

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で古典講読講座《徒然草》第2回を開催しました。講師に、かつて本学園の奈良学園高等学校で教師をされていた吉村治彦先生をお招きし、来年2月まで月1回のペースで『徒然草』(角川ソフィア文庫)を読み解いています。

本日も前回に続き、「文学作品は本来、始めから通して読むのが普通ですが、毎回テーマを決めて"つまみ食い"の形で読んでいきます」とおっしゃり、『徒然草』全243段の中から、テーマ別に千数百年前と現代とを比較しつつ進めていくと話されました。そして、受講生の理解の手助けとなる参考書として『新国語便覧』を挙げられました。

今日のテーマは<「世間」と私たちの生き方>。「世間」話は、ほとんどが無益と断言する兼好(164段)、「世間で語り伝えること」=「うそ・偽り」であるとし、「うそのつき方」について5パターンの分析をしています(73段)。そして、その「うそ」に対する人間の態度についても10タイプの人間鑑定をしています(194段)。

「流言・噂話」には痛烈な批判をし(89段)、「迷信」には、「吉凶は、人に因(よ)りて、日に因らず」と明快な回答が示されます。知ったかぶりの早合点や権威に弱い付和雷同を冷笑し(236段)、「世間の無関心」は人の死後に際立つものだとして悲嘆する兼好(30段)。

先生から「では、こんな世間(社会)で、私たちは、どんな生き方をすればいいのでしょうか?」と、このテーマに対するまとめの問いかけをされて、本日の講座は終了しました。次回6月24日は、その答えを兼好の論旨から学び取り、続いて<人間関係>をテーマに読み進む予定です。


「うそ」のつき方パターン分析や、「うそ」に対するタイプ鑑定では、受講生から思わず笑いが洩れる場面も多々見られました。講座終了後、「兼好は、冷静に判断していたんですね。自分も日々の言動を振り返ってみなければと思いました」「現代社会にそのまま通じますね」と話される方がありました。

新緑に包まれた旧居の池に今年もモリアオガエルがやってきました。雨が近いのか、軽快な鳴き声を聞かせてくれています。昨年は5月31日に最初の産卵がありました。今年もまたツゲの木の周りに集まっている様子で、泡巣が見られるのも間近でしょうか。

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